時計の針がちょうど23時を指すぐらい。ぐらりぐらりと曲線を描く線路とアルコールの匂いといつもより賑やかな電車内。知らぬ間に片方の持ち手だけ落ちるカバンをかけ直して、少し息を吸い込んで息を止める。金曜日の夜はなんだか苦手だ。



金曜日の夜に。




飲みに行くのも。いつもより少し残業をするのも。金曜日のあの独特の感じは社会人を数年経験しても私はすごく嫌いだ。
明日が休みだからなんだ。
1997