ナルト、出陣!!
木ノ葉隠れの里 いまある一人の少年が忍者になるべく新生活をスタートさせた
「お前ェ、本当にそんな顔で撮るのか!?」
「いいからいいから!ハイ!」
「ったく…後悔すんなよ!ハイ、チーズ」
どどん!と歌舞伎役者のごとく化粧を施したナルトであった。
「へへへ!なかなかいい顔決まんなくてさ!それになるまで三時間もかかっちまって…いやー、でもさ!でもさ!アートっぽく決まったってーか…」
「撮り直し!」
ガビーン!!!!
「それより額当てはどーした?」
「明日の説明会までつけねーの!傷つくから」
「…ま…ともかく…この忍者登録書は里だけの隠密性の高い…おまえにとっても大切な書類じゃぞ…なんじゃこの顔は!」
「だって!オレそーいうのよく分かんねーんだもん!!」
ガラ、とドアから音がしたと思えば、少年がいきなり三代目に勝負を挑んできた。
「じじィ!!勝負だァ、コレ!!!」
「火影様!頼まれていた書類です…きゃ!」
「うわわわ」
どっしーん。
少年と共にドアをくぐってきたのは、ツルギ。少年に躓いて、ナルトの方に倒れる。
「ああ!またなんて事を…!!…ん?あれは…波紋様?」
少年のお目付け役だろうか。走って少年を追いかける。
「いってェーーーーー!…!あーーーーーーーーーっお前ら今キスしなかったか!?コレェ!!」
「あ!」
「ばっ、ばーか!!うっせんだってばよ!」
(惜しかったってばよ〜)
「いやあああ!」
バッシーーーンとナルトの頬が叩かれる音がした。
(青春じゃのう…)
「あんまりだってばよ…ツルギちゃぁん…」
「それに、コイツに躓いたのはツルギのねーちゃんだから悪いのはツルギのねーちゃんだぜコレ!」
「そっ、そうだよね…ゴメン、ナルトくん」
「そういやお前とツルギちゃんは知り合いか?」
「ツルギのねーちゃんは訳あって火影直属の元暮らしてんだ。だからオレの身内みてェなもんなんだコレ」
「ふーん…」
「そんな事より!さっきのはトラップか!?コレ!!」
「だ、大丈夫でございますか!?お孫様!!ちなみにどこにもトラップはございません!!」
(な、なんだ?コイツってば…身内なんだかしらねーけどツルギちゃんに馴れ馴れしくしやがって!ガキのくせに!)
(コ、コイツは確か!フン!九尾のガキか…私の大嫌いな落ちこぼれだ…)
「ツルギのねーちゃんがオレに何かするはずもねえもんな!!そうか!!貴様が何かしたんだなコレ!!」
「てめェーが一人でこけただけだろーががコラァ!!!」
「…あのう、私そろそろ帰っていいですか?なんか、ナルトくんとキスするためだけにやってきたような気がしていたたまれないんですが…」
「ナルトも丁度書類を提出するよう頼んでおいたのじゃ。ツルギよ、お前さんがナルトに書類の出し方を指導してやってはくれぬか?」
「は、はあ…」
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