山崎退の御用改めでーす








「御用改めである。華佗。内容は違法賭博についてだ」



目の前のまさに女王様が座る様な椅子に平然な顔をして腰かける華佗に局長は捜査令状を見せつけてそう言った。華佗の周りには数人の護衛が付いていて孔雀の羽の扇で華佗に風を送り続けている。

あ?真夏でも真っ黒で長袖長ズボンの制服を着ている俺たちへの当て付けか{emj_ip_0793}こっちだってヤル気を出せば制服をビリビリに引き千切ってノースリーブタイプにも出来るんだぞ{emj_ip_0793}あ{emj_ip_0793}真選組なめんなこらぁ{emj_ip_0792}




「まったく暇な幕府の犬共め」




鼻で笑う華佗は肘掛けに肘を付き、頬杖をつく。副長を横目で見るとこめかみに青筋が出ていた。ヤバい、この人キレてるよー{emj_ip_0792}それでも副長は感情を表に出さず冷静に続ける。




「あとコイツ。見たことあるだろ?最近よくこのビルへ出入りしているらしいが。こいつにも用がある。今すぐここへ連れてこい」



そう言って副長はなまえちゃんの写っている写真を見せた。それは数年前にみんなで撮った写真だ。たしか忘年会の時に撮影したもので、酔っ払ったなまえちゃんが沖田隊長のコスプレをしている姿が写っていた。この男装はあまりにもイケメン過ぎていて、隊士達もみんなこのコスプレしたなまえちゃんを男と思っていた。その写真の中のなまえちゃんを副長は指を指す。



一瞬眉がピクリと動いた様にも見えたが「そんな小娘など知らんな」と、華佗は答えた。副長の口角がニヤリと笑った。



「へぇー。この写真のコイツを見てよく女だって分かったな」



あ、そっか{emj_ip_0792}副長は華佗にカマをかけたのか{emj_ip_0792}何も知らない人からするとこの写真のなまえちゃんはどこからどう見ても男にしか見えない。華佗は自ら墓穴を掘ったのだ。




「…っ{emj_ip_0792}知らぬっ{emj_ip_0792}その様な者は初めて見たわ」



厳しい言い逃れをする華佗。そのやりとりを側で聞いていた沖田隊長に副長は「総悟」と合図を出した。「…了解」と答えた沖田隊長はバズーカをかまえた。それを見た副長の顔が青ざめる。




「え?ちょっと総悟?え?何、その構え。何か違くない?会議で話し合った作戦と何か違くない?」




「ちょっ、総悟{emj_ip_0792}それはタンマ{emj_ip_0792}」




局長の言葉も虚しく、沖田隊長は引き金に指を伸ばし、




「着火ゴー♪」




その声と同時に華佗のいる方向に向かってバズーカが発射された。




ドッカーーーーーン{emj_ip_0792}










「ちょっ…{emj_ip_0792}これ問題になりますって{emj_ip_0792}沖田隊長{emj_ip_0792}」



辺りにはもくもくと粉塵が舞い上がる。開いた口が塞がらない局長と副長の代わりに俺が詰め寄るが、沖田隊長は「だって一番隊に任せてくれるって話だったでさァ」と悪そびれた様子も無く言った。










「それにホラ。探さなくても向こうからお出ましでさァ」




すました顔で親指で指を指す方向にはバズーカの攻撃から華佗を刀で守る、俺らが探し続けたなまえちゃんの姿が少しづつ開けてきた視界の中から現れたのだった。




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