ラブ・パンデミック







「あーあ、暇だなー。なんか起こんねーかなー。土方さんでも殺すかなー」


起こしてやるよ、この私が!!!

ターゲットはお前じゃあああああ!!!

沖田総悟ーーー!!!











「なまえさん、今日は俺の隊と見廻りらしいですぜ」


朝の稽古の後に沖田君から声をかけられた。


「マジで!?よっしゃ!やったー!」


「何か企んでますね?気持ち悪りぃや」


「何言ってんの、もう!いやー、沖田君にもこの前の件で色々迷惑かけたから、甘味屋でも行って奢ってあげようと思ってるんじゃない」


「ホントですかい?その考え自体が有り得ないですぜ」


「いや、アリエールでしょ!」








私がこの時を見逃すとお思いか!?

ひとまず土方さんにこれが効くのかどうかまず実験台が必要だ。

その光栄な役割を沖田君に与えよう。沖田君が私にしてきた数々のいたずらを忘れない。








「俺、我慢出来ないです。○○さんの事が好きでたまらないんでさぁ、俺と死ぬまでそばに居てくだせぇ。いや、俺は死んでもあんたのそばにいたい」







ぷ。ぷぷぷっ!!!

想像しただけでも笑いが出るわ!私は沖田君の位置を確認しながら隊からそっと抜け出した。


「(相手は誰でもいいんだけどなー。誰か居ないかな)」


しばらく沖田君との距離を保ちながら相手を探してると、とんでもないブサイクなギャルが電話をしながら前方からやってきた。


「はいはーい。公子だけどー」


あのギャル、公子って名前なのか。体型からしてハム子だな。よし!決まった!あの子にしよー!












「あれ?なまえさん?どこに行ったんですかぃ?」


私は沖田君の死角に入り、沖田君の目の前にハム子が来るタイミングで柴咲コウに火をつけた。すると、瞬く間にモクモクと煙が立ち登りだした。


「うわっ!すごい煙!よしっ、行けー!沖田君のところへー!」


張り切って握りこぶしをあげた。

だが、その煙はどんどん私に向かって来た。


「え?ちょ、ちょっと待って!嘘でしょ!?」


急に向かい風が私の方に吹いてきた。ヤバイ!と思った私はすぐに振り向き走りだそうとしたが、足が絡んでしまい、つまづいてこけてしまった。

その時、ふとあの言葉を思い出した。






今日のあなたは予想外の結果になる日。しっかり調べて行動してね。カゼに気をつけましょう


カゼって風の事だったんかーい!そーいえば風向きを調べるの忘れてた。

私の背後から煙がやって来て、スッと私を飲み込んでいった。





















ゴチン!!
あー、痛っ!!何か当たった!!









「…ゴホッ、はぁ…はぁ、煙で死ぬところだった…」


地面にうつ伏せたまま息を整えていると、視界に手がスッと差し出された。


「おいおい、大丈夫かよ」


私は咄嗟にその手の持ち主を見てしまった。


「あ。」



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