カムゼロえっち


 ゆっくりと侵入してきたそれは思っていたよりもアツく硬い。普段から自慰のために弄っていたとは言え、ここまで大きなモノを飲み込んだのは初めてだった。
 すっかり解されたはずだったそこは、外界からの異物を拒むようにきゅっと押し返す。口では余裕ぶっていても身体は正直なようだ。これでは意地を張っていただけの処女ではないか。リードするような発言をしておきながらこの様子では、先行きが不安である。
 お互いに男性経験は初めてだと聞いている。女性経験については聞きたくもないが、きっとカムイのことだ。大切に守られてきたに違いない。もし不届きな輩がいればあのジョーカーが黙っていないだろう。
 余裕がないのは、何も自分だけではない。こちらを見下ろすカムイの頬には汗が滑り落ちているし、視線が交わった際に向けられた笑顔はいつもより堅かった。所謂男役を請け負うカムイとしては事をスムーズに進めたいところだろうが…これはそう簡単に行くものでもない。中々カムイのそれを受け入れようとしない秘所は疼くばかりだ。
「力を抜いていいですよ、ゼロさん」
 カムイの柔らかな声色が鼓膜を震わせたかと思うと、優しい口付けが交わされる。
 軽く触れ合うだけのキスなのに、唇が熱かった。洩れる吐息は興奮を煽る材料にしかならなくて、繰り返されるその行為は終わることを知らない。口で呼吸が出来ない代わりにと鼻から息を吸えば、よく知るカムイの暖かい香りが鼻腔をくすぐる。背中へと回された手がぎゅっと抱き締めてくれたような気がして、その頃にはすっかり安心しきっていた。