カムゼロえっち 3


 強ばった身体の緊張を解くように、カムイの声色が溶けていく。痛みを堪えるよう強く瞑っていた目を開けたら、優しい笑みを浮かべたカムイと視線が交わった。
 どちらからともなく唇が重ねられ、軽いリップ音が響く。どんな時でも決して激しくはされないその行為に物足りなさを感じながらも、これがカムイの愛情なのだと心が満ち足りた気分にさせられる。
「ゼロさん、感じてるんですか?」
 それは、いつもの愛らしい微笑みから発せられた言葉だが、中々に羞恥心を煽るものだった。ここで素直に答えていれば少しは違ったのだろうが、そう簡単に言えるものでもない。何と返すべきかと迷っていると、カムイは秘孔へと宛てがわれたそれを奥へと突き上げる。
「あ…ッ」
 未だに慣れぬ異物感に表情を歪めていたが、そんな事など問題では無くなるくらいの快感が押し寄せてきた。
「か、カムイ…ッ。待て、ソコは…!」
「此処がいいんですよね? キュッと締め付けてきます」
 そう言ってカムイは蠱惑的な表情をしてみせた。口元から覗く舌は瞳と同じく紅に染まっており、目が離せられない。
 いつもなら主導権を握りたい欲に駆られるのに、今だけは別だ。もっとカムイに支配されたい。こちらを捉える双眸に見つめられると、それだけしか考えられなくなっていく。
「は…っ、ぁっ…」
「ゼロさん、顔を見せてくれませんか?」
 カムイが動く度に洩れてしまう声。自分が出しているのかと思うと恥ずかしい。紅潮した顔を見られるのも、余裕が無いことに気が付かれるのも嫌で腕で顔を隠していたら、そう耳許で囁かれた。
 …こんなところ、見せられるわけがない。
 頑なに抵抗していると、カムイは方法を変えてくる。
「それでは、キスしませんか?」
 全く、狡い奴だと思う。一体どこで覚えてくるんだ、こんな事。