ひとまず一松くんを家へと連れ帰ってきた、彼は未だに事態を上手く飲み込めていないようで長いまつげを震わせて俯いている。
「名前、さん、その‥‥
」
先ほど教えた名前を遠慮がちに呼ぶと、彼はそのまま黙りこくってしまった。
おおかたなんで、とかどうして俺を、とか聞きたいのだと思うが気付かないふりをすることにした。
「お風呂、先入る?」
「え、あ‥‥はい」
「じゃあ着替えとか、出しとくから」
タオルや着替えを用意して彼を見送ると、やけに控えめな水音が聞こえてきた。
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