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本番。
歌った
助けたかった。どうしても。繋ぎに歌った。
その後アイドリッシュセブンは無事にステージに立つことができて安堵する。
本番後。TRIGGERに話しかけられる。側近に呼ばれる。楽屋に戻れば案の定男に殴られた。
アイドリッシュセブンがお礼を言いに来ると暴力を見る。九条天が言いくるめる。警察に突き出される。病院は行けないので事務所に預かる。
起きる。側近は捕まり、賠償金で弟の治療費を出してもらう。小鳥遊事務所に入る。
こんなに暖かい場所があったなんて、知らなかった。何時ぶりだろう。家族みたいに、温かく笑える場所。
少し落ち着いた頃に歓迎会だとみんなが開いてくれた。
たくさん笑って、とても楽しかった。
私もお酒が飲めるからと何故か隣に座った二階堂さんがよく話してくれた。
私の事情も深くは聞かず、ただ、よく頑張ったなと撫でられた頭の熱が忘れられなかった。
その後、小鳥遊プロダクションに移籍と世間に公表した。元の事務所のことは簡単にしてもらった。
しばらくして世間にはよく思われないことも始まり、良くない噂がたちはじめた、
アイドリッシュセブンに近づくために移籍した。
地元では有名だった元不良、とか
名前が元不良？
反社と繋がってたとか、
家族を巻き込んだとか、
ぐるぐると過去が蘇る
名前さん、気にすることないですからね
紡ちゃんの言葉に弱々しく笑顔を向けたけど、みんなは辛そうな表情を浮かべるだけだった
え？ドラマの撮影？
しかもスケバン役かよ
狙ったようなタイミングだな、
それで、引き受けるのか？
それが、…今日スタジオでスタッフに言われた言葉で塞ぎ込んでしまって
なんて言われたんだ？
…不良と関わると番組の評判が落ちるとか…
ひっでぇ！！そもそも事実かどうかも分かんねえじゃん！
…しかし、事実でなかったら普通に引き受ければいいと思いますが、それをしないというのも、
一織……疑ってるの？
そういう訳ではありませんが…素直に受けないというのも怪しまれるのは仕方ないかと
部屋のノックが聞こえた。外から聞こえたのは二階堂さんの声だった。
ごめんなさい、1人になりたくて
じゃあここで飲むわ
扉越しに彼の声が聞こえてくる
俺はさ、いいと思うよ。君が過去にどんな人であっても、今の君は変わらない。楽しそうに笑う姿も、真剣に歌う姿も俺の好きな君だ。
え…
じゃ、俺寝るな。おやすみ
朝起きると、アイドリッシュセブンの姿も紡ちゃんの姿もなかった。そういえば今週から撮影があるとかで言ってたな。
顔を洗って歯を磨いて、朝ごはんを作ろうと冷蔵庫を開けると、三月さんの字と他にも陸くんや環くんのメッセージもあって、ラップにかけられた朝ごはんができていた。この寮で1人で朝食も少し寂しい。今日は早めに帰ってみんなのご飯を作ろう。そうしていると、九条さんからメッセージが届いた。それはアイドリッシュセブンが現場に着いていないということ。
陸たち知らない？
朝にはみんな出ていかれましたよ
現場に着いてないんだけど
紡ちゃんに連絡しても既読がつかない。電話も出ない。心配になり他のみんなにも連絡するけど誰もでない。そんなとき、二階堂さんから一通メッセージが。
警察に連絡してくれと、なにか事件だろうか。慌てて飛び出る
すると電話が繋がり、彼の演技の中に見出した場所を特定する。
小さな廃ビルだった。着けば拘束されたみんなと黒服の男
名前さん！
警察は？！
てめえ！呼んだのか！
いない、警察は呼んでない
は？！まさか1人で！？
そんな！危険すぎます！
ふん、分かってんじゃねえか。お前も小鳥遊プロダクションの名字名前だな
そうです。みんなを解放してください
じゃ、お前のゴシップでも聞かせてもらおうか
言ったら、解放してくれますか
考えやってもいい。ほら、これお前だろ？
見せられたのは昔の写真
どこでそれを……
お前の元社長からだ
お前に恨みのあるやつもいてよ
そこには過去倒した男
アイドルなんてバカバカしい。
頭を殴られる
名前さん！
頭が痛い、体も痛い
やめろ！こいつは関係ないだろ！
私は、家族に、誇れる自分でいたかった。友に、みんなを救える人になりたかった。それが汚れた過去の自分から唯一脱却できる術だと思っていた。いつの日か憧れた。私の夢になってた。ファンのために、喜ばせることに。
みなさん、ごめんなさい、もう私は、ステージに立てないかもしれない。でも、みんなのことは絶対に忘れない。ずっと応援してるから
男をやっつける、