2話。
「これ、山本のプリントだ」
そう手渡されたのは数日間にも及ぶ束になったプリント。何故学年も違う私に言うのかと言えば、「お前山本と仲良かっただろ」の返答だけ。いや仲良かったのは1年生トリオではないのか、それには、あの沢田くんと獄寺くんも同様に学校を休んでいるらしい。
一体何があったのだろうか。心配になりながらも教えてもらった山本くんの家に向かう。
そこは少し古びたお寿司屋だった。
「おや、嬢ちゃん。1人かい」
「あの、私並盛中の生徒で…山本武くんは…」
「武の友達か?ちょっと待ってくれよ、」
「あ、いいんです!プリント。届けにきただけなので」
「まあまあ。せっかく来てくれたんだし、そこ座ってな」
促されて中に通らされる。お店には黒いスーツを着た赤ちゃんとピンクの髪の女性がカウンターに座っていた。お客さんはこの2人だけだろうか。
しかしあの口ぶりからしてご家族だろうか。「武ー!客だぞ」と店の奥に声をかけると暖簾から顔を出した。
「客?小僧には会ったぞ…」
「あ、山本、くん」
「センパイ?」
目を見開いた山本くんは驚いて固まる。その手には包帯が巻かれていて、顔にも数箇所傷がある。
「山本くん!?どうしたのこの傷…!ここも…!」
「あ、いや…なんつーか、」
「」