眠れぬ夜の天文学


「眠れないのか?ヒメ」
「ヤミ、最近ヤミの周りを嗅ぎまわっているうるさいネズミがいるみたいなんだ…
ヤミはワタシだけのものなのに、それって絶対許せない」


「大丈夫だヒメ。私は誰にも取られたりしないよ」
「ウソ!ヤミはすぐ黒咲のところに行こうとするじゃない!!!そんなに黒咲が大事なの!?」
「…何を言っている?黒咲は妹仲間だ」
「…は?」
「だから妹の話でもりあがれる唯一の人間だと言っているんだ。私がいなくて寂しかったのか?ヒメは可愛いな」

「ワタシが泣き虫で甘えん坊だってこと知ってるくせに…。ヤミー!!!黒咲とばっかり仲良くしないでー!!!わああん」
「それはお前にすまないことをした、バカだな私は。黒咲とは妹をどのような方法で守るかという話をしていたんだ」

「それって、やっぱりヤミはずっとワタシの事を考えているってこと?ヤミ大好き!」
「あたりまえだ。ヒメは私のたった一人の妹だからな。
お前になにかあったら私は…」
「…ヤミ、きす…しよ?」
「甘えん坊は昔からだな。よし、今日はお前と私だけの夜にしよう」
「んっ…」

ヒメはヤミの甘い口吻で幸福を感じた。



「ヤミはワタシのものよ。絶対、アカデミアやレジスタンスなんかには、あげないんだから」

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