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泣く・哭く・鳴く

午前三時 きみの泣き言を聞きながらカップラーメンを待つ
ぼくのためだけに泣く子
泣けど哭けどあの夏は枯れたまま
水性のイミテーション・ ブルー
あいしてるってだれが最初にいったっけ
さあ、だれだろうね
朝焼けのベッドできみの背をさすること・救われる気がしたんだ
泡にもなれぬ人魚の末路
右も左もわからぬまま、大洪水に巻き込まれて、痛みも青さもわからぬまま、きみのなみだの温かさだけが皮膚を侵した
ふやけた視界で愛は死んだ
愛によく似た酩酊感・生憎よく似た浮遊感
いつまでたってもひとりでなけないあなたに・きみが泣く理由はぼくが作ってあげるから
貴方がキスをするのはわたしが泣いているときって相場は決まってる
傷口になみだ
泣きたい日のトライフル
星も降らない夜だから・この夜が明けるまでふたりさめざめ泣いていよう
ゆるんだ涙腺は懺悔のキスを待っている

救われていたかったんだ



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