ヴゥーヴゥーと鳴る携帯を手探りで探す彼女はまだ起きてないであろう頭で誰だろうと考えていた。特に確認もせずに手慣れた手付きで通話ボタンを押し耳に当てる。


ーもしもっしー
「……んー、坂田?」
ー寝起きの声は色っぽいねー。ダメだこれ、やっぱ寝てたみたい


電話口で誰かに話している坂田と呼ばれた男に今にもまた夢の世界に入ろうとしている彼女。


ー始業時間まで後3分だよ


ん?と頭の上の時計をみると。あっ、あっ、と声をもらしてそれに笑い声が返ってきてじゃー、頑張ってーとブツリと切れたかと思えば慌ててクローゼットを開き着なれた制服に袖を通す。部屋を出る寸前に全身鏡をみると多少寝癖がついてが致し方ないと慌てすぎて縺れる足を動かし図書館へと向かう姿が多くの職員や利用客に目撃されたという。
あー、始業前に報告いかなきゃ行けなかったともと来た廊下を逆戻りし階段をかけ上がる。とある部屋の前についてやっと立ち止まる上がる息を整えながらノックをし坂田#name1#二等図書正ですと述べると返事がきてようやくドアを開けた。


「おはようございます、坂田さん」
「おはようございます!遅れてしまって大変申し訳ありません!」


体がが千切れんばかりに勢いよく体を曲げて謝罪をする。


「頭を上げてください。やはり疲れてらっしゃるのですね」
「図書の為な…」
「寝癖もついてますし」


クスクス笑う仁科司令に顔を真っ赤にして寝癖がついているであろう部分を抑える。ゴホンッと咳払いをしたのは司令官お付きの秘書の方で慌てて姿勢を正し、ここ1週間の事柄を報告する。


「わかりました。防衛部の方も今は忙がしいようですからね。無理をせずにお願いしますね」
「ありがとうございます」
「情報部には欠かせない人材ですからね。よろしく頼みます」


はい!とまた大きな返事をして司令官室をあとにし自分の部署へと脱兎の如く向かう。そーっとドアをあけて様子を伺う。おー、誰もいないじゃんラッキーなんておもっているケツを軽く蹴られ慌てて後ろを振り替える。


「お、おはようございます!」
「30分の遅刻だぞ」
「すいません、寝坊しちゃって」
「帰って来たの朝方だろ。休み取っても蜂は当たらんだろうに」
「この忙がしい時期に休んだら…」


ガハハと笑う玄田隊長。そうだな、確かに恨まれるなと笑っていた。


「遅刻届けは後でいいから、お前も早く外に出て後輩の面倒見てこい」
「はい!」
「遅刻の罰として腕立て伏せ100回やらせろって堂上には頼んで置いたからな」
「え、」
「増えないうちに早く行け」
「は、はい」


今日は起きてから走ってばっかりだと演習場へと急ぐ。やっと見えてきた見慣れたメンバーに安心しさらにと足を早めた。


「おはようございます」
「おはようー」
「寝癖ついてる」


そういって寝癖を撫でるのは小牧くんある。男前ってこうなんでもスラッとやっちゃうから憎たらしい。


「今年の候補生はどうですか?」


堂上はと言えば候補生たちと共に大声を上げて数を数えている。


「結構いいかもよー」
「ライバル出現かもなー」


上から小牧くんに、坂田だ。ほほーと繁々と


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