選択授業が終わって教室に戻ると、友人が私の机に顔を突っ伏して寝ていた。


私の席は陽が当たって気持ちがいいらしく、よく友人はこうやって寝ているのだ。


胸に抱えている大量の教科書を早く手放したかったが、突っ伏して寝ている友人の邪魔は出来ない。




「天童くんごめん、ここ置かして?」


そこで私の隣の天童くんの机に一旦置いてもらおうと、近くにいた天童くんに要望した。




「‥‥え?何?もう一回言って?」


別に変なことを言ったわけではないのに、天童くんは何故かフリーズしている様子で私に聞き返した。




「?‥‥いやだから、ここ置かしてくれない?」


「‥‥わ〜!!!どこどこどこ?どこを犯すの?!」


すると今度は興奮気味にぐいぐい詰め寄る天童くん。




「は?‥‥あ!いや違う違う!!この教科書を天童くんの机に置かせてってこと!」


私も私で『ここ置かして』が、天童くんには『ここ犯して』と脳内変換されたのだろうとすぐに分かってしまい、慌てて訂正した。




「名前ちゃんから誘ってくるなんて大胆ダネー!名前ちゃんなら俺は大歓迎だけど!」


「違うって言ってんじゃん!!」


私の言い分も聞かずに話を進める天童くんに苛立った私は、教科書を天童くんの頭に叩きつけた。




都合よく脳内変換するのはやめてよね。