▼ ふたりに困ってる話
※ いろいろと残念なので注意
※ 微妙にキャラ崩壊
ああ、なんて面倒なのかしら。
「良いか、まいかは僕のことが好きなんだ。だからおまえは僕たちの邪魔をしないでもらえるか?」
「ほぉー…。勝手に妄想を繰り広げるのは自由だが、彼女にも人権はある。」
「いや、むしろそれ蔑ろにしてるの、あんたらだからね。」
歳はいくつか離れているとは言えど、幼馴染みでもある蘭…それから毛利宅にて居候をしているコナンくんと蘭の友人、園子ちゃんと3人でポアロにてランチをしていた、とある日のこと。
いつもの流れであれば、たったひとりのストーカー(とわたしは呼んでいる)だけだったのに、それに加えて史上最悪なタイミングでもうひとりのストーカーまでポアロに現れてしまった。
イケメン好きで恋愛好きな園子ちゃんは「きゃー!三角関係よ!」なんてひたすら騒いではいるが、わたしからしてみるとこれは、ただただ迷惑な話である。
ただでさえここ、ポアロでは、わたしとストーカー安室透は付き合っていると噂されて女性に睨まれるという迷惑を被っているのに、さらにこのストーカー赤井秀一の登場で周りからの視線が痛い。
「僕はまいかと夜を共に過ごしたんだ。おまえはまいかとそんなこと、したこともないだろう。」
「ストーカー被害だなんだって言い掛かりをつけて無理矢理家に押し掛けて来た日ね。ちなみにあんた、その日は床で寝てたから勘違いしないで。そしてそのストーカーはまさにおまえだよ。」
「安室くん、キミは少々俺とまいかの関係を誤解しているようだが、俺はまいかの両親に会ったこともあるしまいかと同じ布団で寝たこともある。」
「それはお母さんがアメリカでの旅行中に事件に巻き込まれてたからお父さんとふたりでお母さんのことを引き取りに行っただけで、布団に関してはあんたが勝手に入って来ただけでしょ。」
このふたり、見た目は良しとしても頭の方がすこし(いやかなり末期でものすごく手遅れなレベルで)酷い。
どれだけ酷いか、と言えば、例えるのであればすこし微妙ではあるが、ライオンなどの肉食獣の狩りに丸腰でリスなどの小動物と同行するレベルで酷いんだ。
誤解を生みかねないくだらない発言ばかりを連ねるふたりを見ずに、コーヒーを飲みながらも冷静にその場のきちんとした状況を説明させてもらう。
いつまでもこの店の女性客に誤解されるのも嫌だし、そもそも蘭や園子ちゃんやコナンくんにまでこんなはた迷惑な誤解をされたくもない。
わたしにはこんな頭のイカれてしまっている変態どもと付き合う趣味、これっぽっちもありませんので。
黙っていれば、まあまだ良いものの。
このふたりは自らの手で墓穴を掘り、さらに自らの手で自分の首を絞めているようにしか思えない。
残念なイケメンに成り下がってること、良い加減気付いた方が良いと思うよ。
「チッ…。なら赤井!まいかの首筋にふたつほくろがあるのは知ってるか?それと右胸の下に左腰だ!」
「ふん…甘いな、安室くん。キミはまいかのカップのサイズを知っていると?まいかは隠れ巨乳でEはある。」
「子どもたちの前でそういう下世話な話しをするのはやめてもらえますかね。どうしてそんなに詳しく知っているのかは知らないし深くは触れないけど、今通報したら捕まるのはあんたたちの方だからね。あんたらはそれでも警察なのか。」
ハッキリ言わせてもらうが、わたしはこのふたりと身体の関係を持ったことは一度たりともない。
それなのになぜあそこまで詳しく知られているのか知りたくはないが、その理由知るのもそれはそれで恐ろしいので、この際訊くのはやめておく。
ああ、ほら、もう。
コナンくんと蘭なんて顔がりんごみたいに真っ赤になってるし、園子ちゃんなんて「大人ってディープね…」なんて言ってすこぶる驚いてるじゃない。
犯罪スレスレどころか、思いっきり犯罪の域に達しているようなだめな大人にだけはなっちゃだめよ、とコナンくんに何度も釘を刺してから、お得意のヘッドドロップを決めた。
公安とFBIがこんなだなんて世も末よ。
わたしのプライバシーと人権を返して。
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