第2話 仲間として繋ぐモノ

翌日、任務のために集合場所に赴くいのの足取りは重いものだった。
道すがら、シカマルとチョウジが待っていた。
「よぉ。」「おはよう、いの。」

3人で集合場所に向かいながらチョウジはいのに聞いた。
「いのは由良のことが嫌いなの?」
「別に嫌いってわけじゃないけれど、
あの態度は気に入らないわ。」
いのはそう言い放った。
「じゃ、お前昨日のこと、
自分は悪くないって思ってんのか?」
シカマルにそう問われて、いのは言葉が出なかった。
だがシカマルは答えろよと強く迫ってくるので、
いのはシカマルから顔を逸らして気まずげに言った。
「そ、それは、昨日は私もちょっと言い過ぎたかなって思うわよ。
このままじゃいけないのも分かってるわよ…。」
そう言ういのの様子にシカマルは気づかれないように息を吐いた。
「俺も…。」
シカマルの声にいのは思わず顔を上げた。
するとシカマルはきまり悪そうに言った。
「俺も悪かったよ。もう少しお前らの話を聞くべきだったな。」
「僕も、ごめん。」
二人の様子にいのは驚いた。
「シカマルと話してたんだ。
僕たち、いのの話もそうだけど、
もう少し由良にもいろいろ聞いてみたら良かったって。」
「…シカマル…チョウジ…。」
「僕、昨日帰って考えたんだ。
アカデミーの時も由良って
誰かと仲良くしてるところ見たことないから、
もしかしたらどうしたらいいのか分かんなかったのかなって。」
普段は食べることばかり考えているチョウジが
そんなことを考えていたなんて思いもしなかった。
「だったら僕たちで由良を
引っ張ってあげたらいいんじゃないかなって思ったんだ。
だからね…。」
そう言うとチョウジはごそごそとポーチのなかを探って、
あるものを取り出した。


「だから、今日はポテチのバーベキューソース味
プレミアムバージョンを持ってきたんだ!
皆で食べようと思って!!」


……………………………





「…っぷ。」
いのは何だかおかしくなった。
「あははははは!」大爆笑だ。
シカマルは呆れて物も言えなかったが、
いのの様子を不思議そうに見ていた。
「もーっ、あんた可笑しいんじゃないの?」
いのは笑いながらそう言った。
いのの心は軽くなった。
そうだ、こっちからあの子の手を掴んで引っ張ってやればいいんだ!
「ほら、早く行こう!」



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