第3話 解き放たれた人形(トモ)

「くくく…すっかり怯えちゃって可愛いなぁ。」
「さぁて、どんな風に可愛がってあげようかな〜。」
残りの2人は不気味に笑って、こちらに近づいてきた。
それを見て4人はじりっと一歩下がる。
シカマルは目を開けて小声でチームメイトに呼びかけた。
「いの、由良、チョウジ。
アスマが捕まった以上、状況は最悪だ。
ここは逃げろって言うアスマの命令は正しい。」
「先生を放っておくの?!」
「相手は3人。アスマを捕まえた奴が
アスマの側を離れない様子から見て、
あいつが襲ってくる可能性は低い。
それを踏まえても相手は2人。
こっちは4人だが、下忍になりたての
俺たちじゃ敵うはずもない。」
シカマルの言い分は分かる。
でもアスマを放ってはおけない。
そんな気持ちがありありと浮かんでいた。
「とはいえ、ここで逃げたところで弱い俺たちじゃ
すぐに捕まっちまう。となるとここは…。」
「あの水をぶっ壊してアスマ先生を助ける!!」
いのとチョウジが声をそろえて言った。
「!!」シカマルは思わず2人の方を見た。
すると2人とも不敵に笑って頷いた。
「…みんな、考えることは同じ。」
隣で小さな声がした。由良だ。
4人の心は決まった。「よし、やるか!」



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