君の鼓動と僕の鼓動 - 春風



僕は、モテる。今も昔も、そしておそらくこれからも。因みに言っておくけど嫌味なんかじゃない、ホントなんだから。
初めて付き合った子の名前とか、そんなもの態々律儀に覚えてなんかいない。今までに付き合った女の子の名前を全員言えるかなんて言われれば、即答しよう、不可能だ。一夜を共にするだけの子もいたし、一番長くて半年付き合った子がいたくらい。
時には、別れた後も付き纏われたりなんてこともあったかな。全部があっちから僕に告白してきて、どんなに興味がなくったって僕は付き合った。

けど、そんな恋愛が当然長続きするわけがなくって。僕が興味がなくなって適当に捨てる、その繰り返し。多分女の子から恨まれていたりもするんだろうなぁ。半年続いた子とも、つい最近別れたばっかりだ。


そんなことからか、気が付けばいつの間にか恋愛に関しては、来る者拒まず、去る者追わず、なんていう姿勢になっていた。だから、今まで生きてきたこの十七年間、真剣な恋なんかしたことがない。

そんなの自業自得だって?悪い?僕は自分が悪いなんて思わない。こればっかりは自分自身のこの整い過ぎた容姿を呪うよ。


「沖田総司。…話があるんだけど、いい?」


そして、今日も呼び出された。

でもまさかこの日が、あんなに特別な日になるだなんて…、予想もしていなかったよ。


第一章 僕らの出会い

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春風