無色透明な爪先

肢体に浮かぶ痕跡
心臓は燃やしてしまったから残ったのは器だけ
無色透明な爪先
貴方の血管を通って酸素をあげる
水底以外じゃ息もできない
君の骨の一部になりたい
イシュタルの鼓動
膨らんだ秘密に惑う首筋
茹だる瞳と突き抜けた灼熱
脈拍ごと拐って
暗晦を掻き分けた午前三時