空蝉散る頃

夏めく、茅花流しに吹かれて
卯の花腐しの雨
杜若色の傘に包まれて
向日葵に恋をする
氷中花に閉じ込めて
金魚に隠した恋慕
ラムネの海に溺れて弾ける
熱帯夜に浮かされて
アンタレスに口づけ
夜半に咲いた花ふたつ
サマードレスを着たあの娘
夕立ランデブー
空蝉散る頃
遭逢サンセット
炎天、揺らめいて
残鶯の最期の声