はじめての友達





「おーーい」

「!」


黒洋丘の砦化が飛信隊で進む中
楽華隊がやってきていた。


「よぉ、蒙恬じゃん。久々じゃね?」

「信、久しぶ
「きょーかーい!!!久しぶりー!!!」


「「………………」」


隊長同士の挨拶を遮り明るく高い声が響き、飛信隊の殆どがその声に驚き顔をあげると

そこには自分の隊長を押し除け、我が隊の副長の羌瘣に思いっきり抱きついている同じぐらいの背格好の女の子とそれを怒鳴っている、楽華隊の陸仙がいた。




「ごめんね、相変わらずで」

「あいつは変わってねーな」







隊長達は変わらず挨拶を続ける。


















「お前はなぜ私に構う?」

「?」


楽華隊で砦化が引き継ぐ事になった為に二つの隊で飲み会が開かれる事になった。

それを口実に羌瘣と一緒に酒を飲もうとするが、一人で皆の場から離れようとする羌瘣に、どうしても一緒にいようと後ろから付き纏う。


すると、痺れを切らした羌瘣がクルリと振り返り表情を変えずに問うた。




「私は羌瘣の事が好きだからだよ?」


さも当たり前ですと言った笑顔で返すのを見て羌瘣は訝しげた。



「なぜだ?
話した事も殆どなく、隊も違う」



「そうだね。それで?」




「…………」




目つめ合う二人の間に夜風が吹いた。




「…特に、ない」



素直な羌瘣に思わず笑みが出てしまう




「蒙恬様と信を見てみなよ。
あの関係は、何?」


羌瘣は二人が呑んでる場所を見続け沈黙を続けた。


「……私は、羌瘣の事が好きだよ。
羌瘣は強いし、私だってそれなりに実力はある


そして、隊同士が仲良しさん。
志し同じ隊長で、


さらに、
私達も同じ志し。


蒙恬様を信を大将軍にしたい」


「!」





こちらを真っ直ぐ見つめる羌瘣に
同じように真っ直ぐ見つめる。



「そんな二人が仲良くなってはダメなの?」



「……………」





羌瘣の横を優しい風が吹いていった。














「…………あれは、落とされたね。」

「あ?」



蒙恬、信が呑んでるこちら側では
二人のやり取りは、ハッキリと聞こえはしないが二人の雰囲気を遠目に見て蒙恬が笑っていた。




「そうだね。羌瘣も素直じゃあないからなー」


「俺の妹分は、押しが強いからね」



一緒にいる貂も溜息と共に優しく笑う





「あ?何の話してんだよ」



蚊帳の外なのは、信隊長。
その言葉に思わず周りがびっくり。



「え?マジで言ってんの?」










はじめての友達




羌瘣と共闘できるのはいつになるのかな









おまけ。

「うちの副長とさ、あの楽華隊の子
二人揃うとやべぇ可愛いな。」

「酒継ぎにいかね?」

「お。いーね!行こ…


「やめとけ。」


「!?」


後ろを向くと楽華隊の奴が二人いた。

「お前らのところの副長はしらねーが、
うちのに酒あげると大変な事になるから」

「蒙恬様でもどうしようもなくなるから
どうかやめてくれ。」




「…………」



おわり

next→恋バナ⭐(嘘)


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