さて、私が「名探偵コナン」の世界にいるのは良いのだが、原作知識がほとんどない私にとって一体今がどのくらいの時期なのかがわからない。コナン君がいるということは黒の組織は動き出しているのだろう、おそらく宮野明美も死んでいる。それぐらいしか原作知識のない私にとって現状況を推測するのは無理難題と言える。





「洞窟でコナン君が撃たれたところまではなんとなくわかるんだけど、あと映画はわかるな、本編見ないで映画は見ていたから=v





とりあえず今確認しないといけないことはなんだ?灰原哀ちゃんがいるかどうかと、京極さんとかは確認したほうがいいのだろうか。あれはいつだ?蛇に噛まれて紅茶で消毒あたりだろうか、思い出せない。




「お姉さん。」




「ん?」




「さっきはごめんなさい、もう事件は終わったよ。」




「そう、ごめんなさい。ぼーっとしてた。」




「考え事?」




「まぁ、そうね。」




下手なことを言って感づかれても嫌だし、だからと言って何もしないとかえって怪しまれるのではないだろうか、この世界は気を抜いていた者から次々と死んでしまうような気がする。怖い。




「コナン君、どうかしましたか?」




「昴さん。」




「そろそろ帰ろうかと思うのですが、そちらは?」




「さっきお友達になったお姉さん。」




おいまて、クソガキ。
お友達になんかなっていないし、あんたとお友達になった時点で私の命の危険度が右肩上がりだってば。だって大変じゃない、このクソガキとお友達になんてなったら、ビル燃えるし、飛行機落ちるし、船沈むし、観覧車転がってくるし。死んじゃう。




「お姉さんどうしたの?また考え事?」




今まさに君のことを考えていたんだよ。なんて言えるはずもなく「そう。」と軽く返した。




「大丈夫ですか、顔色が良くないようですが。」




「大丈夫です、えっと・・・。」




「僕は沖矢昴と言います、東都大学の学院生です。」




「沖矢・・・昴?」




「はい。」




知らない人がコナン君と関わっている。
この人は原作に出てきたのだろうか、流し読みをしていたので全く覚えてないし。もしコナン君が洞窟で撃たれたあとに出てきた人物ならもっとわからない。映画に出てきた覚えもない。誰だこの人は。




「僕の顔に何か付いていますか?」




「え?」




「さっきからじっと見つめられていたので。」




「あぁ、すみません。なんでもないです。」




「お姉さん名前はなんていうの?」




「「なんていうんですか?」だろうがクソガキ。」




コナン君の両頬を引っ張りながら悪態を吐く。本当に口の聞き方を知らながガキね。




「いてて、ごへんなはい。」




「わかったなら、よろしい。私は蜂谷誄と言います。」




「僕は江戸川コナンだ・・です。」




知ってるよ。





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