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「ごめんなさい、私がしっかりと確認をしていなかったから。」
「あなたのせいじゃないよ。大丈夫。」
「でも、どうしましょう。まさかこんなことになるなんて。」
「私たちを騙した落とし前はしっかりとつけさせてもらう。私に任せて。」
「え、ええ。でも、何か策はあるの?」
「優秀な探偵が味方についているから大丈夫。」
「・・・そう、気をつけてね。何かあれば私に言って。必ず力になるから。」
「わかってる、その時はよろしくね。」
「え〜、本日21:50過ぎ、西多摩市にある国立微生物研究所が7人組の武装集団に襲われました。武装集団は警備員2名を拘束、当直の警備員を拉致し高度安全実験室に侵入、数分後室内に仕掛けたプラスチック爆弾を爆発させ逃走しました。爆破された実験室にはある非常に危険な細菌が保管されていて犯人グループによって持ち去られたものと推測されます。」
あたりは騒然としている。一部報道規制をしき、一般市民の不用意なパニックを避けるためだと、警視庁は話している。そんな中、報道陣の携帯が一斉に鳴りだし犯人グループの犯行声明を知らせていた。
「我々赤いシャム猫は、国立微生物研究所を襲撃し殺人バクテリアを手に入れた。7日以内に次の行動を起こす。心して待て。」
ネットに犯行予告が挙げられた以上、箝口令を敷いたところで無意味なことぐらい警察もわかっているのだろう。報道規制はせず、犯人グループの犯行声明共々一般市民に全てが晒されることになった。
「ふぅー。箝口令なんて敷いたって意味がないのに。」
それにしても奴らは本当に国立微生物研究所から殺人バクレリアを盗み出せたのだろうか。細菌、微生物というのは保管が非常に大変で、ただかじっただけの知識でそれ亜を使用しようとしているのなら、日本中が大変なことになる。
バイオテロを起こすにはまずお金がいる、お金と労力、こちらは問題ないだろう。あと一つ、とても重要なものがこいつらには足りていない。だとしたら、細菌を盗んだというのはハッタリか?
「どういう状況に転んでも、責任は取ってもらわないといけないんだから。」
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