「平気?」
「む、無理無理…」
私はしゃがみこんでゼェゼェ言っていた。なんか自分で悲しくなってきたよ。
一之瀬くんはそんな私の背中を擦ってくれていた。
「チューッス!遊びに来たよ!」
「名前どうしたんだ?」
元気よくディランくんが入ってきて、その後ろからマークくんがやってきた。
「名前が時差症候群になってて」
「時差症候群?」
「時差ボケのことだよ、こっち着いてからそうだったらしいのに名前言わないから…」
ふぅ、と息を吐いた一之瀬くんにちょっと申し訳なくなったけど、それどころじゃない。車酔いしたみたいな感じがずっとしててなんかだるい、まさかこれが時差ボケだとは思ってなかった。
ディランくんは「大丈夫かい!?ミーはどうしたらいいんだい!?」となんか凄い騒がしい。そこまで騒ぐ必要もないと思うけど…もしかして彼も時差ボケがなんなのか分かんないのかもしれない(笑)。
「あれ、お前ら来てたのか」
「アスカァ!名前が神に召されそうなんだ!どうしたらいい!?ミーには何が出来るの!?」
「わっディラン飛び付くなよ」
とりあえず「横になってたら?」とマークくんが言ってくれたので部屋で寝ることにした。ディランくんは相変わらずギャーギャー言ってます、心配してくれるのは嬉しいけどちょっとうるさいかも。
フラフラしながら部屋に行ってベッドに入ろうとベッドに近寄った。
ん??
なんだろうこの違和感…。
違和感を感じて、ベッドの布団を少し捲ってみた。
「ギャァー!!!」
気分が悪いのも忘れるくらい大きな声で叫んでしまっていた。私の声に驚いたのか、ドタバタと一之瀬くんたちがやってきて「どうしたんだ!?」と私に聞いてきた。
何かいる!!と背の高い土門くんの後ろに隠れながら、ベッドの方を指した。
ディランくんが「ミーにお任せ!」と布団をペイッと剥がした。
「フィ、フィディオくん…?」
何故か私のベッドで寝ているフィディオくんという侵入者を発見しました…。
あれ、さっき起きたとき誰もいなかったはずなのに?いつの間に入りこんだのだろう、すやすや眠ってるフィディオくんをマークくんがバシッと叩いた。
「何やってんだお前」
「ん〜?あれ、マークだ」
「なんで名前の部屋にいるんだよ」
「なんでって…遊びに来たんだよマーク、遊ぼう」
「帰れ」
眠たそうに体を起こしたフィディオくんは私に「おはよう」とにっこり笑った。
とりあえず私も「おはよう」と返して、何故だかその笑顔が可愛く思えて、ベッドに腰かけてるフィディオくんの頭を撫でた。
「フィディオくんて、なんか可愛いね」
「え、」
「え、」と言ったのは何故か一之瀬くんだった。フィディオくんは気にすることもなく、いや寧ろ嬉しそうに「ありがとう!でも名前の方が何倍も可愛いよ!」と笑っていた。
「土門…」
「なんだ一之瀬」
「名前は可愛い男がいいのかな…」
「そういうことじゃないと思うぜ?一之瀬にも何だかんだでいいとこあるじゃないか」
「だよね!俺だって可愛いとこあるし!」
「…」