14、支配の紋章

あいつを手離したいってずっと思ってた。

時折感じる右手の疼きは最悪で、身近な人の魂が取り込まれるその感覚はいまだに慣れない。


できることならこの右手を切り落としたい、と何度思ったことか。


そう考えると、今のこの状況は俺が長年願っていたことそのものではないか?


あいつソウルイーターは主オレの元を離れ、主はあいつの元を離れた。



願い通りじゃないか。
ひとつ―――この右手に宿る新たな紋章を除けば。

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