二人きり
寒空の下二人歩いて
一瞬すら触れ合うことはなくて
押し殺した気持ちが切ない
周りからはどんなふうに
見えていたのだろう
誰にも責められない夜の街
誘われたご飯が二人きりだなんて
それだけで嬉しくてたまらない
いつも意地悪なくせに二人きりだと
どうして思わせぶりなことばかり言うの
だからわたしずっと笑っていたの
真剣な空気にしたら
どうなるかわからなかったから
だけどわたしの気持ち察してよ
どうでもいいことはたくさん聞いたけど
奥さんの質問だけはしなかったでしょ
二人で一緒にいるときだけは
わたしのことだけ見ていて欲しかった
それ以上は望まないから
いつか罪に問われるくらいなら
ずっとこのままがいい
これ以上の関係なんていらないから
時々誰かの影に心がチクチクしたとしても
誰にも咎められることなく
笑いながら堂々と会えたらいい
ずっと会えなくなる方が耐えられない
2016.1.16