「ふわぁ…眠い…。日曜日かぁ」 私、大竹遥は、高校3年生として、毎日しっかり勉学に励んでいます。 嘘です。あんまり勉学に励んでません! そんな私の休日の過ごし方。 少女漫画or乙女ゲームです! まぁ、健全な高校生なので、イケメンにちやほやされたいわけですよ。 私は本棚から、何冊か漫画を出して読む。 「現実には、こんなイケメンは居ないよなぁ」 私は大袈裟にガックリと肩を落とす。 すると、休日だというのに友達から電話がきた。 「もしもし、どーした?」 電話の向こうから、おお!と、楽しそうな声が聞こえた。 [おはよー、遥ちゃん!突然なんだけどさ、オススメの漫画貸して!] 彼女は私の友達の、粟飯原菜月。成績の良い方で、いつも難しそうな本を読んでいる。 だけれど、たまーに漫画を借りていく時がある。たまにだけどね。 「うん良いよ。何が良いかな…」 本棚の中から良さそうなのを探す。 [読みやすいのが良いなー…。少女漫画で読みやすいのある?] 「読みやすいのかー。菜月は本の方が読みやすいんでしょ?」 前に、彼女が本の方が読みやすいないか、と聞いてきたのを思い出した。 [うん。なんか、恋愛系読みたくて…。でもさ、恋愛系って小説だとなんか…。んー、ゴリゴリの恋愛を!逆ハーレムがいい!!] 「うーん。あ!これが良いかも!小説だし」 逆ハーレムで小説っていったら、ブラコンで決定だろ。うんうん。 [本当に!?ありがとう!] 「いえいえー。んじゃぁ、私がそっちに行くから」 本重いし、行ってあげよう。 [えぇ!?良いの?悪いなぁ…。でも、お願いします!] 「うん。待っててね」 電話をプチっと切った。 彼女の家まではそんなに遠くない。 私は着替えて直ぐに家を出た。 カバンには、ブラコンの本がいっぱい入っているので、結構重い。 「はぁ、疲れた」 独り言を呟きながら、とぼとぼ歩く。 ふと、空を見上げた時だった。 「君!危ない!」 誰かの声とともに、激しい衝撃を感じた。 最後に見えた物はトラックだった。