目を開けると、そこは病院だった。 「なんだ…。夢か…」 私は夢の中で、要さんと椿さんらしき人達に会った。 もしかすると、私は天国に行けたのではないか、とさえ思うくらい、リアルな夢だった。 痛みはもう、ほぼ無かった。 身体を伸ばしていると、何か違和感を感じた。 髪の毛が…短い!? 色が…茶色い!? 私は鏡へ走った。 いかにも、私ではない。 長かった髪はボブに。 黒髪が茶色く。 しかも、美人で可愛い。 そしてなによりも巨乳!? くっそぉ…。美女になってしまったぁ…。 嬉しい。 そしたら、ここは現実では無くて…。 要「失礼します」 病室のドアが開いて、要さんらしき人が入ってくる。 私は急いで、ベッドに戻った。 「こ、こんにちは?」 要「あれ、目を覚ましたんだね。こんにちは」 「ど、どうも…。お世話になりましたっぽいですね」 ヤベぇ…イケメンだ…。 要「いや、気にしないで」 しかも、思ってたより優しい。 要「目を覚まして直ぐに悪いけど…色々聞きたい事があるんだよね。他の奴らも入って良いかな?」 「はい。大丈夫です」 聞きたい事ってなんだろう。 その後、要さんが医者を呼び、私が目を覚ましたのを確認した後、朝日奈兄弟の何人かと美和さんが入ってきた。 ヤバい…。本物の朝日奈兄弟だ!! 私は目をキラキラさせて兄弟達を眺めた。 雅臣さん。要さん。椿さん。梓さん。美和さん。 すげぇ…レベルが違う美しさ!! 美「はじめまして、私は朝日奈美和って言います。よろしくね」 「はじめまして。美和さんの事はもう前から知ってますよ!!よく12人も産めたなって思っていました!会えて光栄です!!」 なぜか皆、目を見開いて驚いてる。 美「…あのね。えっと…お名前は?」 「遥です。大竹遥」 美和さんは、なにやらメモをとり始めた。 美「遥ちゃんね。あのね、遥ちゃん。私達、貴女のお知り合いなのかしら?ごめんなさい、私達貴女の事を全く覚えていなくて…」 私は何を言っているのか分からず、首を傾げる。 要「ほら、君。俺とつばちゃんの名前を知ってたでしょ?」 「えぇ、皆さんの名前と誕生日とお仕事と…何でも把握してますよ」 あたりまえじゃないですか!と、胸をはって言う私に雅臣さんが言った。 雅「遥ちゃん。僕とははじめましてだよね?僕の事、知ってるの?」 「えぇ、朝日奈雅臣さん。1979年4月24日生まれ。血液型はO型。小児科医。趣味裁縫。うさたん」 雅「本当だ。あってるよ。凄いねぇ!」 雅臣さんが珍しい物を見るように、私を楽しそうに見てくる。 椿「俺も俺もー!!マジで分かるのー?」 「朝日奈椿さん。1985年12月31日生まれのA型。声優さん。嫌いな食べ物は数の子、妹萌え。得意なスポーツはサッカーとフットサル。梓さんと棗さんと三つ子で、梓さんとは一卵性…」 「そして、その梓さん。声優さん。趣味掃除、椿さんの部屋も掃除する。好きな食べ物は、だし巻き卵、ようかん、牛肉」 どうだ!!と、どや顔してみたが…。流石に引かれたか…。 椿「ヤバい!!超能力者!?」 喜ばれた。 「あの…今って何年の何月ですか?」 突然気になった。 要「2009年の5月だよ?」 「やっぱり…」 梓「どうかしたの?」 「私は2017年の4月から来ました。」 朝日奈さん達は眉間にシワをよせ、はぁ!?と言いました。