指先だけでそっと、


旅の途中で、ばったりとマシロに出会った。
「またおまえか…」
「ちょっと!そうやって地味に頭かかえるのやめてくんない!?わたしをなんだと思っているのよ!」

「カナに土産を買おうとしていたところだ。そうだ、お前も女なんだから
それらしいみやげを選んでくれないか?」
「ちょっ…どういう意味よ!!!ま、まあいいわ。で?そのカナって子どれくらい可愛いのかしら?」

マゼンタは警察手帳に入ったカナの写真を見せた。
マシロはものすごいスピードで後退りをした。

「?何故驚く。そんなにカナが可愛いのか?」
「違うわよ!!!アナタ、警察だったの!!??」
「言ってなかったか?安心しろ、お前は捜査対象ではない」

「もしそうだったとしても、どこまでも逃げてやるわよ」

マシロの髪にそっと触れたマゼンタの指先。
マシロは少し頬を赤らめて、握られた手を引きながら土産物屋に入った。
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