甘く揺れる髪に、
マシロの髪は白くて長い。
ふと、その髪に触れてみたくなった。
手を伸ばそうとして、マシロが振り返る。
「ねえ、マゼンタ!」
「何だ?」
「このエーフィ人形可愛い!」
マシロが手に持っているのはエーフィの小さなぬいぐるみだった。
女の子の心をくすぐるのはこういうものなのか、とマゼンタは感心する。
「お前は何がほしい?」
「アタシ?アタシは…」
そう言ってマシロはマゼンタの長い髪に触れた。
「この色がほしいわ」
「俺も、この色がほしい」
そう言ってお互いの髪に触れた。
艶やかで甘やかに揺れる髪。
冬と陽を塗り分けたような髪色にお互いに触れて、ほほえみ合った。