10月第4火曜日1

Ryota Katayose





昨日チーフからグループラインで、龍友くんと一般女性…もちろんレナさんやけど、HIROさん公認で付き合うことになったと連絡があったもんやから、午前中のリハの前の現場はざわついている。




「龍友どんな人なの?」
「絶対教えません」
「メンディーくんあのね、年上でキャリアウーマンで、英語ペラ「亜嵐くん、ホンマ黙って」…あはは」
「HIROさんまでゆうたんが凄いなー。結婚すんの?」
「裕太くん、それ早いしまだダメやろ。レナさんも望んでないって言ってたし。」
「え、亜嵐くん何でそんなん知ってんねん」
「あ。」
「あー、亜嵐くん秘密や言われてたのに言うてもた。」
「だからどこでそんな話してん!」
「にゅ、ニューヨーク。」
「聞いてへんで!」
「まぁまぁ、龍友くん。色々ありまして。」




正直、ニューヨークでご飯を食べたとき、龍友くんがレナさんに思いを寄せてんのは感じてた。
龍友くんがめっちゃ穏やかやったんやもん。


でもちょっと意外やった。
ノリはいいしユーモアはあるけど、頭の回転の早いサバサバした大人の女性。
龍友くんがそういう人を好きになるなんて。



で、もっと意外なんは、このざわついてる部屋にあるテーブルで、ずっと無言で携帯を触ってる玲於。

玲於がここ最近ねーちゃんねーちゃんと慕ってたんがレナさんやったっていうのはニューヨークで知ったんやけど、龍友くんの彼女になってねーちゃんを取られたって思って不貞腐れてるのかと最初は思ってた。

だって、玲於の好みと真反対やもん、あの人。

でも隼の玲於を気遣った何気ない行動とかを見ていたら、玲於もレナさんにお姉ちゃん以上の感情を持ってたんやと感じて。


そんな玲於の気持ちを龍友くんも知ってるのか、ことごとくその話題をスルーしようとしてたし。
(今は嫉妬で亜嵐くんと隼に噛みついてるけど。)




「玲於、これ見た?」
「んー?」



この末っ子が悔しくて悲しい気持ちを持っていたとしても、恋愛に関して周りの俺らはどうすることもできんから…

ただただ早く吹っ切れるように願うだけ。





更新日:2017 10 10
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