12月第4月曜日

Reo Sano



たくさんの人の上に立つ人って、フツウじゃなく変わった人が多いというけど。

まさに、だ。

静かに、淡々と話すレナさんを見て、この人が本当に他のオンナと違うってことを目の当たりにした。




「レナさん、警察官のが向いてんやない?って思ったわ。」
「尋問みたいだった。」
「予測も的確すぎるわ。でも、ちゃんと龍友くんの事わかってあげてるのもすごいよなぁ。」
「あの人無敵すぎっしょ。」
「なー。普通、あの状況だと彼氏を責めたりするもんやない?何やってんねんって。
座って待っててって言われたとき、マジ怖かったのに、アレ?って。」
「な。マジあんな人見た事ねぇよ。」
「喧嘩にもならなそう。」
「龍友くん、完全にレナさんの手のひらで転がされてっし。」
「あの人根っからのドMやなー。…羨ましい?」
「…全然。」



頭の回転の早い人だし、色んな意味でいつもどんな時もレナさんのままだって感じ。
あれを見ると、あの人が泣いたり喚いたり、普通のオンナがするようなこと全く想像できねぇもん。

男としては悔しい気もするけど(…って、泣いたり喚いたりされんの嫌だけど)あの人はあの人のまま、きっと変わらないから、やっぱり惹かれる。


「あー、しんど。」

「ん?早く帰って寝ようぜ」



…しんどい。
でも、会いたい。


今日だって本当は、あの人が忙しい時になにしてんの龍友くんふざけんな!って思って、腹が立って勢いであの人の部屋に行く事を決めて。
とにかく早くあの人の顔が見たくて。 玲於、って呼ばれたくて。

久々に会ったら、やっぱり居心地がよくて、たまらなくなる。


龍友くんが来てからは、自分が納得するためのパズルのピースを集めるように。
あの人の根本にあるのは、龍友くんと対等なパートナーという意識なんだと思う。
龍友くんから好かれていることと自分が龍友くんを好きだということは全くブレない…そんな考え方な気がする。



俺なら、そんな風にあの人じゃない相手を認めることができるんだろうか。


何やってんだよってイライラして相手に問いただし、浮気はしてないけど何度か会ったと言われたらやましいことがあったから俺に言えなかったんだろって返して、そんなことないって喧嘩になる…

いや、絶対こんな感じだろ。

それにパワー使ってなんかしばらくモヤモヤなんかして。そんなのがチリツモ的な感じで、きっとバランスが崩れて関係が終わったりさ。
本来男女は相手に求めることの根本が違うんだから、自然ちゃ自然だけど。


でもあの人はきっと、龍友くんが求めてる事と同じようなものを龍友くんに求めてるから、対等だしブレないんだろーな。




レナさん、俺はあんたみたいな人にこの先出会える気がしねぇよ。


やっぱり俺、レナさんが良かった。





更新日:2017 10 22
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