私の兄は蛇だ。蛇といっても爬虫綱有鱗目ヘビ亜目に属する爬虫類ではなく、2足歩行哺乳類のれっきとした人間。けれど兄の知り合いはだいたい兄を蛇だと表現する。理由は服装だったり、"アレ"が蛇モチーフだったりと色々ある。ハッキリ言って兄じゃなければ関わろうとは到底思えない部類の人間だと思う。
まあ、つまり何が言いたいかというと兄は恐ろしいくらい凶暴で獰猛だということだ。



「だから正直言って日向は恐いとは思わないし、むしろかっこいいと思うんだよね」
「あの日向より怖いお前の兄貴ってなんやねん」
「…世の中には知らない方がいいこともあるんだよ」

冗談やろ、と本気にしてないダンに仕方ないかと笑ってしまう。本人に会わないとその恐さはわからない。実際、達磨との抗争も直接ぶつかるまでその面倒くささと日向がいるからこその怖さはわからなかったものだ。私は全く思わなかったけど。むしろ素手で喧嘩しててカッコいいと思ったよ。兄さんなんか鉄パイプとか平気で出してくるからね?それに比べたら日向なんて可愛いものさ、かっこいいけどね!SWORD全体に監視カメラつけといてよかったわ…おかげで日向と盾ちゃんのカッコいいとこバッチリ撮れたし…。

「お前そんなことしとったんか」
「あれ?口に出してた?」
「監視カメラのとこからな」
「あちゃあ…ダンこれはオフレコでよろしく」
「別にええけど…ん?ちょっと待て」
「何?」
「SWORDで起こったことは大体見とったんやな?」
「見てるっていうか録画してる?」