07

「そういえばあの二人はまだ来ていないのですか?」


トキヤが真斗くんに確認している。あの二人...とは誰のことだろうか


「あの双子は時間にルーズだからな...約束の時間から15分か、もうじき来るだろう」


と話しているところへ二つの影が遠くから走ってきているのが見えた。何やら言い争う声も聞こえる。トキヤと真斗くんが溜息をついているのをみると、もしかしたらその二人は言い合いも日常茶飯事なのかもしれない

そして赤と黒の頭が見える


「音也にセシル!?」

「えっ...あっ、アリスだぁー!!」

「アリス!Oh,マイプリンセス!!」

「「やめろ/なさい!!」」


抱きつこうとする二人に止めに入る二人、うん、もしかしなくともこいつら仲良しなんじゃ...とついつい思ってしまった


「早くクッキー食べたい...トキヤ、お茶会始めよ?」

「そうですね、お茶を飲みながら話しましょうか...音也とセシルさんが何故遅れたのかもしっかり話して頂きますよ」


ギクリ、と二人の肩が上がる。少々青い顔をしながらも、やっと全員が席についた


「では、お茶会の始まりだ」


真斗くんがにこやかに言って緑茶を啜る。ここには様々なお茶の葉があって、それぞれに合うように茶菓子が添えられている。私はベルガモットティーにシナモンを塗したクッキーを選んだ、うん、美味しい!


この世界に馴染みすぎている自分がちょっとだけ怖くなった







―「「なまえー!!」」


後ろからいきなり抱きつかれる


「うえっ...なっ、何!?」

「何かお菓子ちょうだいっ!」

「なまえ、ワタシお腹が減って死んでしまいマス!」


上に乗られる重みに耐えながらポケットを漁ると飴が一つ...


「1個しかないや」

「えぇー!!」

「じゃーんけーん」「「ぽんっ!!」」


音也、グー
セシル、グー
私、パー


「あ、勝っちゃった」

そして二人に追いかけられるのだった