4月の終わりだというのに、年々暑くなる時期が早まっているのを感じる。これも温暖化のせいかもな、なんて担任は言っていたけれどわりとどうでも良いから早く部活に行きたい。きっと体育館の中は天井も高くて床が冷たいから涼しいんだろうな、なんて期待を馳せている
「赤葦部活いこ」
「なんで今日はそんなやる気なの」
「涼しいであろう場所を求めて、かな」
「...どうせ走り回るんだから暑くなるだろ」
それを言われたら何も言い返せない。仕方なくない?だって季節外れの暑さが襲ってきたら少しでも涼しいところに行きたくなるじゃん
「そんなに暑いの?」
「夏よりは暑くないけど春にしては」
「ふぅん...」
「ひぇっ....ーっ!?」
首筋に当てられた冷んやりとした感触に小さく叫びをあげた
「あ、あかあし、何して...!」
「何って、冷やしてあげてるんだけど」
しれっと悪びれる様子もなく言ってのける様子に抗議をするけれど、きっと先程よりも赤くなってしまった顔では何の意味もないんだろう
「も、離してよっ」
「嫌?俺の手冷たくない?」
「くっ、首っくすぐったいから!」
「あぁ、ごめん」
絶対悪いなんて思ってもいないくせに!ニヤリと笑うこの男に何か仕返しでもしたかったけれど、こんなにパニックになっている私の頭では何も思いつかなくて逃げるように部活に行くしかなかった
せっかく体育館についたっていうのに触れられた場所が冷たかったのに、今では熱を帯びていて全然涼しくなんて感じられない。バクバクと音を立てる心臓が煩い。それもこれも、全部全部赤葦のせいだ!!
(ばーかばーか!!!)
2016.03.02
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