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「今回も美原の手柄かー。やっぱすげぇよなあ」

隊長昇格も夢じゃねぇな、と呟きながら男は溜息を漏らした。瀞霊廷通信を片手に、ソファへ勢いよく倒れこむ。

「志鶴ちゃんもそう思わねぇ?」

前髪をヘアピンで留めた派手な金髪に、いくつものピアス。だらけた態度で楽しそうな表情を浮かべながら男は顔を上げる。そこには大層疲弊した顔で大量の書類を持った女が1人。女は男を一睨みして、何を思ったのかその書類を持った手を男に大きく振りかざした。

「おっとーー危ないなあ。俺怪我しちゃうよ?」

ニヤニヤした顔でよくもまあぬけぬけと。女ーー志鶴は掴まれた腕を振り払い、仕切りなおすように咳払いをして、未だソファに体を預けたままの男に目をやった。

「愛須第八席、その位に相応しい行動をしていただいても?

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