薔薇色の檻


 

「愛鳳…」


美しいアカデミアの真夜中。
もう誰も起きていない時間帯に愛鳳と閻凰は同じベッドの中で手を繋いでいた。
閻凰はベビーピンクの色彩を持つ魂の片割れに視線を向ける。
長い睫毛、純白の肌、薔薇色の頬。
そして、何者にも代え難い麗しいベビーピンクの双眸。


「閻凰…眠れないのです?」

「うん、愛鳳は?」

「寒くて…」

「一緒にくっついて寝たら、温かいよ。もっと側においで」


抱きしめる形で愛鳳を近くに寄せる。
暖かい、心臓の音が直接聞こえる。
同じくらいの長さの髪。
同じくらいの色合いの髪と瞳。
身長は閻凰の方が大きい。
小柄な愛鳳は閻凰の腕の中にすっぽりと収まる。
愛鳳の小さな手が背中に回されて、抱き合う形になる。
だから、閻凰は守ろうと思っている。
この、愛おしい魂の片割れを。


「好きだよ、愛鳳」

「わたしも、愛しています。閻凰」


微笑みあって、額をくっつけて、唇を重ね合う。
愛鳳と閻凰。
双子でありながら恋人という禁断の関係にある二人は、真夜中に愛をはぐくむ。
誰にも邪魔されない閉ざされた空間で。


 
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