まぼろしと踊る魔女


ゴシック調に彩られた瑠歌の部屋。
アカデミアには仕事部屋の資料室、
そして寝室兼プライベート
部屋が瑠歌にもうけられていた。

歪なピエロの人形、椿が飾られた大鏡。


資料室から取って飾った黒板には、
アカデミアで自ら消えた少年の文字が浮かび上がっていた。

全てが歪む部屋の中で、自ら純銀の手錠を嵌め黄色と深い蒼色のゴシックワンピースを身に纏う。

「やあ瑠歌。相変わらず綺麗だね。僕の恋人さん」

「…今日は早かったわね。閻凰」
「瑠歌もね。仕事終わったの?じゃあ、始めようか」

もうすぐ悪夢から開放される。快楽がやってくる。ホンモノのロミオとジュリエットが成し遂げられなかった事を平然とやり遂げる。


閻凰の美しい指が瑠歌の背筋を伝う。
背中の空いたワンピース。
ぞくりと感じる感覚だけ、その身に受けながら。

「っふ…」
「瑠歌。キミは僕だけのものだよね…きっと、きっと。ずっと…ずっとずっとずっとずっとずっと…」

閻凰の深い深い愛。
瑠歌は嬉しさと安心を感じた。

「そうよ。私はあなたの物。永遠に。たとえ、この体が消滅しても。そうでしょ?私は科学者なのよ」

あなたはデュエリスト。
そして、私だけのロミオ。

「瑠歌。キミを科学者という絶望の括りから救い出せるのなら、僕はなにもいらない。何も望まない。だから、1人で行こうとしないで」

瑠歌は静かに目を閉じた。
包まれる温もり。






それは、永遠に続く。
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