月詠とアイドル
「こんにちは」
「ん?」
梓達が顔を上げてみれば、先ほどすれ違った諸星 ホタルと赤馬 零牙、そして−−。
「梓はいるか?」
4つの島の中心にある白亜の神殿に住まう儀式次元の最高権力者にして梓の親友、天神 やよいが立っていた。
「やよい!?」
「月詠様!!」
「そうかしこまらないでくれ、今回はプライベートでの訪問なんだ」
「でも、なんでその…アイドルと?」
「知らなかったのか、梓。ワタシは諸星 ホタルのファンなんだ」
あっけらかんとして言うやよいに驚きの声を上げる一同。
そして、佇まいを直すとやよいは凜とした声で言った。
「しばらく、ホタルをアカデミアからかくまってもらえないだろうか?」
「アカデミア…から?」
「ホタル、何でアカデミアに狙われとるん?」
「…詳しくはわからないのです…ただ、夢の中で“あいほう”と呼ばれるのです」
「あいほう?」
「…アカデミアの関係者ではないかと思うんだが、ワタシにも詳しくはわからない。今、調べているところなんだ」
やよいの珍しく困った顔に梓は遊泳や暁達をみて頷いた。
「なら、ウチらも協力したる!」
「梓、ありがとう。恩に着る」
「やよい、可愛すぎやー!!」
「ワタシは可愛くない!!」
飛びつく梓にそれを避けるやよい。
零牙はひとつ、咳払いをすると声を上げた。
「俺とホタルはアカデミアから身を隠すために次元を越えてきた。此処が一番安全だと思い、しばらく滞在することにした。だが、ただでとは言わない。国際デュエル大会を開催させてもらうことにやよいと話を付けた」
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