甘く痺れるかなしばり


 

少し、日常に疲れていた。
騒々しい翼。
仲間達はいつもどおり。


「少し、疲れましたわ」

「疲れた?」


掛けられた声に璃乃は肩を揺らした。


「どなたですの?」

「俺は赤馬 零牙、君は?」

「神々廻 璃乃、と申します」

「何に疲れたのか、話してくれないか?璃乃」


璃乃は零牙の知的な蜜色の瞳に惹かれて、話し始めた。
零牙は何も言わずにたた、それを聞いてくれていた。


「そうだったのか、俺も似たようなものだ」

「まぁ、貴方も?」

「あぁ」


零牙はそう言ってホタルのことを話し始めた。
婚約者であるが、アイドルである彼女とはなかなか会えないことがつらかった。


「わたくしと同じですのね」

「…似ているかもしれないな」


零牙と話していると心が落ち着いてきていた。
そして、今までとは違う胸の高鳴り。


−−これは、恋かしら…?


 

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