彼女との十日間

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足枷と手枷が嵌められていた少女を海賊船から救い出したのは、つい一時間ほどの前のことだ。
マストに繋がれているのをオレが見つけた。彼女は、周りで海賊たちが戦っているというのに、表情一つ変えずにそこに立っていたのだ。





「うん、大丈夫だ。擦り傷は所々にあるけど他はどこも悪くない」

その言葉に全員がホッとしたような表情を浮かべる。




「ねえ、あなたいつからあの海賊船にいたか分かる?」

ナミさんがそう問いかけても、彼女はどこか一点を見つめているようで何も答えない。チョッパーが診察している時からそうだったらしい。何も反応を示さない。
初めは声が出ないのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。あの海賊船にどれくらい捕まっていたのかはわからないが、精神的な問題があると考えるのが妥当だろう。なるべく怖がらせないようにと質問を続けるナミさんの表情が、だんだんと強張っていく。故郷であったことを、思い出しているのだろうか。海賊たちに支配されていた

「なあ、お前喋れねーのか?」
「ちょっとルフィ!!」




















「わたしは、#name#」

静かにそう告げる。何故かは分からないが、オレは思わず彼女の頬を両手で包み込んでしまった。

「#name#...ちゃん?」
「そう。#name#」
「そうか...よかった。本当に...」



「たすけてくれてありがとう。お礼に、わたしはなにをしたらいい」
「!何もする必要はないよ。#name#ちゃんが無事なら、それでいいんだ」
「わたしなんでもするのに」
「」






そう言った彼女の


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