「では歌仙、これからよろしくお願い致します。」
「ああ、よろしく頼むよ主。」
ユメコが孤谷から新たな資料と管狐を受け取ろうとすると、歌仙兼定がすっと前に出てそれを受け取った。
「ありがとう」
そう呟けば、歌仙は花のように笑って桜を一片散らした。



時の狭間にあるという本丸への移送は簡単だった。
孤谷に促されて歌仙が厳しい扉を開けて1人1振1匹が共に歩きはじめる。
扉を閉じるとゆっくりとそれは消えていき、ただまっすぐと一本道だけが目の前にひろがっていた。
ぴくりと管狐が反応し、起き上がって歌仙の腕の中で小さく身震いした。
歌仙とユメコが目を見合わせ自体を見守ると、管狐はぴょんと道に飛び降りてもう一度身体を震わせた。
「はじめまして、こんのすけにございます」
「はじめまして」
「審神者様と歌仙兼定様ですね。
こちらの空間は不安定ですのでまずは本丸へ向かいましょう。
こちらの道をあと50メートルほど進みますと本丸のゲートに繋がっております」


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