ごみ女と腐女子の戯れ(リヴァイ)

※ごみ女の夜中のため息の続きです
相変わらず男装設定



「貴方ってなんでリヴァイ班に入らないのー?」

「めんどくさい、特に掃除とか身だしなみとか」

「あぁ、なるほど」
そんな頭がボサボサだとねーとハンジが笑う。俺はだろ、とため息をついた。そもそもハンジがリヴァイ班に入らないのと聞いたことにはもっと前の出来事からによる。エルヴィン団長からリヴァイ班への移動を言われた。普通ならばあの兵士長率いる対巨人精鋭部隊である移動は喜ばしいことなのだが、俺にとっては喜ばしくないことでしかなかった。なぜならその班に入るということは部屋の掃除や本部の掃除だけではなく身だしなみなどやらせ続けられるのだ。溜まったものではない。以前もこのような誘いがあり実質昇進で給料が上がるがめんどくさいとの天秤にかけた結果やはり断った。それが表の理由。

「折角強いのにね」

「当たり前だろ」

「何それむかつくわ」
実力は訓練兵時代では兵士長の次に立体機動装置の成績はよかったためこのような勧誘は当然ことであるがあまり他人に言うとうざいと思われるため言わないが心を許しているハンジには冗談混じりで言えた。ハンジは俺の置かれている状況を理解していた。俺には実力が大いにあるのだが元々由緒正しき生まれなため、両親達が俺の昇進、所謂危険が増える分隊長という地位を阻止していた。現状況で俺が調査兵団で昇進するためにはリヴァイ班に入り兵士長に守られることしかないのだ。それが裏の理由。俺にとってリヴァイ班に入るということはハンジに言ったように掃除だけではなく兵士長に守られるということとなるだろう。そして俺はそれを拒絶している。兵士長の性格からしてきっと身を呈して俺を守ろうとするだろう、兵士長にとってもこれが一番正しいと思っていることだろう。しかしそれは俺に対する冒涜であった。何故俺が女を捨てたのかリヴァイにそれがわかるはずがなかった。

「リヴァイの事好きな癖に」

「馬鹿言え、あれは悪魔、いや魔王の顔した小姑だぞ」

「ぎゃははは!!」

「毎回毎回ゴキブリが出たら俺に駆除させられるんだぜ?例え寝てても飯の時でも風呂の時でもだ。24時間営業じゃねぇか。」

「ゴキブリに怯えるリヴァイ…それを守る貴方…いいね!それ!!」

「どこがだよ」
ハンジは俗に言う腐女子という部類に入るのだと思う。よく俺と兵士長のカップリングに巨人話ほどはいかないがよくこのように興奮する。正直俺はそういうのに興味はないが兵士長との絡みの写真は女兵士の間では萌えの対象であるらしく隠撮の際に協力するといい報酬が手に入るのでよく嫌々ながら金のために共同戦線を張っている。前回は一緒に割烹着をつけて掃除している様子だった。遠くから待機しているハンジ率いる精鋭部隊、別名撮影隊(あれデジャブ?)からの指示のもと偶には引っ付いたりしているだけでびっくりするほどの額が貰えた。なんて非道な世界だ。

「その後兵士長にバレて大変だったんだぞ」
今考えるだけでもおぞましい。

「貴方愛されてるよねー」

「ハンジ急になんだよ」

「しみじみ思っただけだよ、だって大変って言っても全調査兵団基地の掃除でしょ?普通殺されるよ。」

「日頃の行いだろ」

「なにそれ本当貴方うざいわー」

「あれ?空だ」

「まだ沢山あるから大丈夫!どれがいい?」

「んーそうだなー」

「お前ら、オレの部屋で何してやがる」

「リヴァイ見てわからない?飲んでんだよ」

「だから何故オレの部屋で、そもそもどうやって入った」

「方法はピッキング」

「理由は俺とハンジの部屋汚すぎるため」
ハンジがピッキング用の細い棒をリヴァイに見せ付け俺は酒瓶を対象に見せ付けた。俺達はその時程よく出来上がっていたためリヴァイの心内が読めなかった。リヴァイが朝まで埃1つなかった床が今は酒瓶やつまみのかすまみれになり、朝までは綺麗にシワ一つないほどに惹かれていたシーツがぐしゃぐしゃになり、机には既に飲みきったであろう空瓶やまだ開けていない酒瓶が汚くそして無動作に置かれ、そして自室に無断で入り床にあぐらをかきながら高笑いする人間達をリヴァイは瞬く間に鬼の形相で怒鳴り散らす。酔った勢いとはいえ犯罪混じりの事をした俺達はすぐさま酔いが醒め絶望の淵に立たされる。そしてあろうことか、その部屋に新たな訪問者が現れる。カサカサと聞きなれた足音、そうあれはリヴァイが嫌いでしかたがないアイツだった。

「お前らのせいであんなのが入ってきたじゃねーか!どうしてくれやがる?!」

「リヴァイとととりあえず落ち着こうか」

「ハンジもな」

「あああああたりまえでしょ?!いつも部屋で食べ物たべないから見ないんだよ!」
モブリットお前そでいいのか、と内心思いながらリヴァイ兵士長の部屋常備している我が愛刀エクスカリバー(いらない紙を丸めたもの)を利き手に持ち宿敵の前に立った。いつもならこの程度の大きさの奴は一撃で仕留められるのだが俺は酒を飲んでいるせいもあり手元が大いに狂ってしまい、あろうことかリヴァイ兵士長の頭を直撃した。


「おいてめぇ削がれてぇのか!」

「めめめめめっそうもないです…あぁ!エクスカリバーがっっ」
俺は兵士長に頭を鷲掴みにされ非人間的な力で頭蓋骨を潰しにかかる。流石のエクスカリバーも兵士長の頭には勝てなかったらしくヘタレてしまった。まるで俺の今の状況のように…なんて上手い事行ってる場合ではない。隣で他人事のようにハンジが爆笑している。糞眼鏡覚えてやがれ。
既に堪忍袋が切れた兵士長は削ぐと言いながらも頭蓋骨をつぶしにかかるが、そのお陰で完璧に酔いが醒めた俺はまた新たなエクスカリバーを生成し治した後に標的を今までにないほどに正確に駆逐した。とりあえずこの場の状況の沈静化に成功したがその後に待っていたのは兵士長の長い長い説教、そして部屋の掃除だ。勿論兵士長様の部屋だけではなく俺やハンジの部屋もだった。そしてまた一睡もしない内に夜は明けていた。

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