ごみ女の動揺(リヴァイ)

※相変わらず男装してる

※ごみ女シリーズの続きです


「てめぇはいつになったら部屋の掃除するんだ?あぁ?」

「すみませんすみませんすみません、反省してますのでその足をのけてくださいませんか」
はやり、兵士長と飲むのはめんどくさかった。ハンジとの一件があってから、壁外調査が終わり、壁が巨人にやられたり、今年の新兵のうちの一人がなにやら巨人に変幻できてしまい最小限の犠牲ですんだことなどなど我々にとって予想外のことが起こったせいで大変というわけではない。そもそも俺はここでは平社員のようなものなのであまり関係のないことだ。めんどくさかったのはそれらのことで書類が増え、その巨人になれるという新兵を助けるため一芝居打つため会議会議と追い詰められ、そして今日開放された目の前のこの男である。とはいえ我々調査兵団にその新兵は監視と言う名目で保護でき、その管理もこのリヴァイ兵士長が担うこととなり、明日からまた多忙の日々を迎えるであろう。兵士長は昔からあまり他人の前では酔わないのだが今回のように何かと溜め込んでいるとベロベロになる。まぁ信頼されているのだろうと捉えると嬉しい気持ちにもなる物だろうが頭を踏みつけられ罵声を浴びせられる今の現実は実にめんどくさい。



「黙れ、誰に指図しているてめぇ」

「魔王にでもなったのかよ兵士長」

「そもそもミケやハンジっていつも言ってる癖になんでオレは兵士長なんだよ」

「はいはいリヴァイ」
こういう時の兵士長は何かと思ってることを吐き出してくれる。まぁ元々兵士長、リヴァイという人間は人に弱みを握られることを極端に嫌い、故に本音を言うことも少ない。長年の付き合いなのだろう、俺と二人で飲むときは理性の稼が外れ普段溜め込んでいることを嫌味たらしく吐き出してくれる。それがたまに可愛くもあるが照れ隠しなのだろうか暴力も増えるし、よく暴れる。俺が兵士長をリヴァイと素直に言うと満足気に足を頭から退け、俺の頭を撫でようとしたのだろう手を差し延べようとした時ピタリとリヴァイの手が止まる。

「きたねぇ、洗ってこい」

「いやいや君がやったのだよ?!そしてここお店だからないって」

「知らん」

「いやいやいや」

「ならオレがお前を撫でられないだろうが」

「な!」
素面顔で持っていたグラスをテーブルに叩きつける兵士長に、理不尽!とツッコミを入れようとも兵士長は今何もわからないであろう。なんせ今は魔王だ。酔っ払いだ。更に質が悪いのはコイツ酔っ払っても顔は赤くなったりせず言動と行動だけが変になるということ。ほら店の客や亭主がこっちちらほらみてんじゃねぇか。

「早く酒をつげ」

「飲みすぎだ。帰ろう。」

「あ?まだいける」

「わかったからテーブルバンバンするのはやめてくれ」

「お前がそうさせてるんだろ」
くそかくなるうえは…

「俺の部屋の酒あるから」

「…きたねぇだろうが!」
あ、と俺を含めた店中の人間が呟く。あろうことかリヴァイ兵士長は立ち上がり俺に講義しようとしたのだろう、その瞬間彼はふらりとアルコールを含んだ体にバランスがついてこれなかったのだろうそのまま横に倒れた。ヒヤッとして兵士長に駆け寄るとどうやら寝ているだけのようだ。目もとの隈が彼の疲労を物語っていた。しかたないので俺が担いでいくいかないと、ため息をついて会計を済まし亭主に軽い謝罪をし重いリヴァイ兵士長を担いでそそくさと店を出た。最後まで店の客達の目線が痛かった。きっとまたあの二人デキてるんじゃない?!とか噂が回りそうだなと俺はため息を付いた。暫く夜道を歩いていると背中に担がれていた兵士長がごそっと動き始める。それと同時に溝うちに蹴りを入れられた。クソっ

「なんでオレがてめぇに担がれてんだよ」

「兵士長が店で寝たからでしょ。一人であるけんの」

「うるせぇ」
どうやらまだ酔いは冷めていないようで会話が魔王のままだ。そのまま一人で歩けそうだったので俺は静かに兵士長の後ろをついていくことにした。担いだことは彼のプライドを大きく傷つけたようでポツポツと俺の愚痴をいい始める。部屋が汚い、臭い、女らしくしろ、弱い、髪をちゃんとくくれなとまるでてめぇは俺の母親かとツッコミを入れたくなるほどのしょうもない愚痴を言われ軽く流していたが次の言葉に今日一番のツッコミを入れることになる。


「てかオレの班への誘いも断りやがって、そんなにオレが嫌いか」

「…ツンデレだとっ!」
なんと子尺な!!

「どうなんだよ。オレはお前を守る。だから班に入れ。または調査兵団やめろ」
ぴたりと、俺は足を止めてしまった。今まで軽く流していたというのにリヴァイ兵士長の言葉は俺にとって残酷なことだった。調査兵団に入る前からリヴァイはずっと俺が入ることに反対だった。理由なんてわかりきっている。中の方が平和だからだ。リヴァイは俺に女としての幸せを壁の中でさせたいと思ってる。わかる、その言い分は、だが俺は誓ったのだ。俺はリヴァイの支えになるのだと、あの時誓った。ここ最近やめろなんて言わなくなったので認めてくれたのかと思ったがそうではなかったようだ。本当に嫌になるぜ。


「リヴァイ、俺はお前のそういうとこ嫌いだよ」

「いつも言ってるだろ。それが一番安全だ」

「安全が俺にとっての幸せじゃない。俺は、リヴァイと」
一緒支えたいと、言うつもりだった。昔からいやあの時からリヴァイは自分から遠ざかっていく。一人でGも倒せない男がだ。彼は長年の付き合いである俺に死なれたくない、それはわかる。俺だってそうだ。きっと俺が女だから、アイツの女だったから、という罪悪感なのだろう。俺にとって女は邪魔でしかなかった。女であるからリヴァイはアイツは俺から遠ざかっていく。なら捨てるしかない。じゃないとリヴァイは俺から離れて行ってしまう。
いつもとないシリアスな俺の口調にリヴァイが微かに反応した。そして前を歩いていたリヴァイはいつものそっけない表情を俺に向け俺に爆弾を言い放つのだ。


「そうか、なまえ。じゃあオレと結婚するか」

「は、あ、、?」

「ガキ孕ませばお前は女で生きることになるからな」

「待て待てリヴァイ!落ち着けって」

「俺は真面目だ」

考えてもないことをリヴァイは言い放つため俺は呆気に取られ先程の怒りは一気に覚め上がる。結婚?アイツ結婚願望なんてあったのか?ていうか前酒屋の歌姫侍らせてなかったか?なんて唖然となってる俺を差し置いて満足気に言うなよ。


「リヴァイ?」

「早くイクぞ。」

「変換間違えるなよ」

「…」

「無視か!!?」

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