かっちゃん!誕生日よ!!(幼馴染みの取扱い説明書番外編)

「ふふふ、またこのシーズンが来たわデク君!」

「なまえ、ちゃん?」

「そう!かっちゃんの誕生日がね!!!」

「ヒィイイ!!!」
私はとある日の平日の廊下でデク君を見つけ、そっと手を肩に置いて笑った。デク君はというと4月上旬に私がテンションが上がるものと言えば幼馴染みであるが故に気づいたようで顔が引きつりそして悲鳴を上げた。関わりたくないって感じの彼を無視し私は更に進めた。

「え?今年は何をするかって?」

「聞いてない聞いてない!」

「デク君ったらぁ、仕方ないわねぇ、そこまでいうなら教えて上げるよ!」

「言ってないってば!!」

「これさ!!」
私は携帯である画像をデク君に見せた

「…ケーキ?」
私が見せたのはケーキであってケーキではないのよ。

「そうさ!まずはこのパイをデク君が投げる、頭に来たかっちゃんがデク君を追いかける、そして落とし穴、コンクリートを流し込み身動き取れないようにする、そして動かないかっちゃんに1Aのクラスメイト達With私がプレゼントと愛の言葉を囁く企画なのだ!!」

「僕だけ不憫じゃない?!」

「大丈夫、誰がパイを投げるのかとアンケートをした結果君がダントツ一位だったのよ?もっと誇らしく思ってもいいんだから」

「(不名誉な一位だな!!クラスの人達面白半分で参加してるだろコレ)…いつの間にしたんだ。なまえちゃんじゃないんだねパイを投げるのは」

「毎年こうやってやってるからその日はいつも警戒されてるから難しいわ。」

「(自覚あるんだ)…毎年、か」

「かっちゃんが生まれてきてくれた日だよ?当たり前だわ!それにきっと喜んでくれるわ!!」

と思っていた。
誕生日当日、コンクリートで埋められていたのはかっちゃんではなく私だった。ことの発端はデク君がパイをかっちゃんに投げつけてクリーンヒットした所に遡る。流石に私に対して警戒しすぎていたかっちゃんだったがまさかデク君にパイを投げつけられるとは思ってなかったようで頭に血が上ったかっちゃんは当然のことデク君とおいかけっことなった。そこまではよかった。そこで何故か瀬呂君に拘束され切島君に落とし穴に投げられ上鳴君にコンクリートで体を固められた。身動きが取れるのは首から上でそれより下はコンクリートのせいで全く動けない。

「ちょっと?!何コレ?!」
戸惑っているとコンクリートごとかっちゃんに私の体が渡された。

「爆豪!ほら誕生日おめでとな!」

「ほらじゃないけど?!」

「ごめんねー」

「麗目さんまで、」
麗目さんは私の頭にリボンを着けた。何?私がプレゼントよ!的な奴か?!そうなのか?!!くっブルータス貴様もか!

「俺達からの誕生日プレゼントだ!」

「受け取ってくれよ!」

「上鳴君、切島君達も皆グル?!」

「爆豪に誕生日何がほしいって聞いたらなまえを止めてほしいって聞いてよ」

「て、ことだ」
勝ち誇ったようにかっちゃんは笑った。ヒぃ!全て私は騙されていなのね!てかデク君も私と同じく驚いているってことは彼はこちらサイドの人間ということか、いやただ彼の性格上嘘がばれるから黙っておこうということだろう。

「かっちゃんが、笑ってる…」

「なまえよぉ、」

「毎年毎年毎年変なことやってくれてたよなぁ?」

「それは誕生日だから」

「俺は誕生日という行事とお前によって過去酷いことをされてきた」

「え」
毎年こんな感じの事をしていたので心当たりがありすぎる。


「今日は覚えておけよ」

「かっちゃん?」

「安心しろよ、ただ身動き取れねぇだけだろ?」
その後私は物理的にかっちゃんにお持ち帰り去れていった。バックミュージックはドナドナである。

「てか毎年毎年ろくなこと考えねぇなてめえは」

「そりゃあ、かっちゃんの驚いた顔が見たいんだもの。」

「…俺はお前がいればいいっつうの」

「何か言った?」

「…て、くたばれブス!!」

「ええええ?!!」

「…死ねよ!」

「生きる!そかっちゃんが生まれてきたことに感謝をしてね!おめでと!かっちゃん!!」

「かっ、ば、」

「(珍しく照れてる)」

「死ねよ!!」

「(そして言葉のレパートリーが少なくなってる)」


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