愛の行方がわからない(赤司)

※乳やら胸やらピロートークやら少しやらしい表現あり


「おおきくなったな」

「何が?」

「これだよ」
赤司征十郎という男は世間では有名な所謂いい男。頭も顔も性格も優しいし金も持っている。そんな男が私の胸を揉みほぐしながら呟いた。誰のせいだと沸々と思う。

高校の時に赤司征十郎は校内で私という女を見出だし素質があると私に付きまとうようになった。彼は当時女性の求愛に嫌気がさしており、当時ヤンキーガールな私と付き合っているということで女性避けを図っていると思っていたが実際はそうではなかった。
彼は私に仮初めの彼女でも本当の彼女も望んでいなかったが、そんなことも知らずに私は彼と肉体関係を築いてしまった。その際だ、彼の性癖に気づいたのは。行為しているとひたすらに乳を揉み、吸い顔を埋め倒すのだ。乳フェチ、所謂彼はそう呼ばれる変態で乳の形がいいということだけで私に付きまとっていたわけだ。ここで逃げることも考えたが相性がいいこともあり高校を卒業してもその関係は続いた(所謂セフレ)。私は私なりに彼のことを愛しているつもりではある。しかしだからといってここから恋人や妻などになる気はない。元々の彼との立場が全然違うのだ。彼は大手会社御曹司で
私は片親(父は他界)の貧乏女でいつかはこの関係も終わることも互いに納得しているし、私もいい人ができればその人に嫁いでいくだろう。
いやしかし、乳というものは揉めば大きくなると誰かが言っていたが実際もそのようで彼との行為により小柄な私の胸は数カップアップしていた。


「ぶち殺すわよ」

「元々小柄だったんだから感謝して欲しいくらいだが」

「肩こるのよ」

「姿勢が悪いからだ。ヨガでも行けばいい」

「結局続かないのよね」

「お前には努力という言葉が似合わないな」

「うるさいわねー。やるときはやるわよ!」

「そうか、ならやれよ。」

「ぐぐ」

「あと下着ももうヨレヨレだ。これだとすぐ垂れるから新しい物を新調した方がいい」

「あんたくらいよ、そんなに女の乳に詳しい男は」

「自覚はある、」

「あるんかい!」

まるでピロートークに言うような会話ではない。しかしそれが私には心地よかった。行為が終わり二人で広いベッドに入り赤司に頭を撫でてもらうのも好きだ。赤司もそれを知っているため私が寝付くまで優しく抱きしめてそうしてくれる。
朝目が覚めると立場は逆転していることがある。つまり私が赤司を抱きしめ、赤司は寝ながら私の乳を吸っている。普段の赤司には想像がつかない行動に私はドキッとする。どんだけ好きなんだよと悪態つきたいが私は彼の頭を撫でた。

結局この関係は満足している、きっと赤司もそうだ。互いにこの行為や行動に恋人や夫婦を望んでいなかった。このような朝にはより実感していまう。私は赤司を父に、赤司ら私を母に重ねて体を重ねている。

つまり、二人とも変態。恋人や夫婦になればなど答えは知れていた。そんな朝に痛感してしまう。私は赤司から離れて頬を伝う涙を隠すためにバスルームに向かった。


※追加解説(見たくないひとはみないでください。)


赤司は女に母を望み、女は赤司に父を望んでいると見せかけて、深層心理では恋仲を望んでいる。赤司がそれを望んでいないので自分に言い聞かせている、そういう朝。シャワーから帰ったあと朝起きた赤司にはいつも通り彼の望む母を演じる。

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