その部屋は赤く染まり、赤く血塗られた一人の少女と一人の男その廻りには……
死体………。
『イヤァーーーーー!!!』
その声は部屋中に響き渡った…。
『何で?どうして?兄さん……兄さん!!』
「どうしてして…?さぁ何故だろうね?」
『どうして父さんと母さんを殺したの!?何故ファミリーを殺したのよ・・・!!?』
崩れ落ちていく様に座り込み、悲痛な声で泣き叫ぶ少女。
それを冷たい目で見下ろしている男。
『どうしてなの?どうしてッ…!?』
問う少女など気にすることなく、男は…。
「それじゃぁ、もう時間が無いから…。さようなら」
男は銃を少女に向け、大切そうに、大事そうに・・・。
冷たく何処となく哀しそうに囁く。
「さようなら……ローザ、俺の大事な妹」
バンッ!
乾いた銃声音、そこに少女の姿は無い。
少女の血は流れることなく、男は少し安堵した様な顔をしていた。
「逃げたか、また会う日まで…ローザ」
男は啼いた、儚げに。
そして、静かに呟いた…。
「俺だって…分からないんだよっ」