早くベッドに倒れ込みたい。と思いながら車を駐車場にとめて車の鍵をかけたかちゃんと確認して自分の部屋に入る。
階段を上るのにも疲れるし少し気を使う。
一昨日までは下の部屋は空いていたけど昨日、下の部屋に入居した人がいるようで、出勤する時に引っ越し業者がいたのを見た。

早く結婚して小さくてもいいから家を買って一軒家に住みたい……。

手洗いうがいをして煙草臭い服を着替えてベッドに控えめに倒れ込む。


「あー、彼氏欲しいなー」


出会いは接客業という仕事柄ありはするものの、お客様や職場の人を恋愛対象としては見れないし、ギャンブルをしたり煙草を吸う人とは付き合いたくないというのが本音だ。パチ屋で働いている人間が何を言っているという感じだけど、ギャンブルするような人とは付き合ったとしても結婚はありえない。
どこかに煙草は吸わない、お酒も程々にしてギャンブルしない人いないかな……。


 ピンポーン


チャイムが鳴って出るかどうか悩んだ結果、出ることにする。


「はーい!」


できるだけ足音が下の部屋に響かないように階段を降りて玄関のドアをそっと開ければそこには身長は私と変わらないくらいの目つきの悪い男性が立っていた。
……え、取り立て……?


「下の階に引っ越してきたアッカーマンです」

「あ、#name1#です。わざわざ有り難うごさいます、宜しくお願いします」


取り立てではなく下の部屋に住む人だったようでホッと安心する。
渡された引っ越しの手土産を受け取り当たり障りのない言葉を連ねる。


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