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月に一度の全校集会。
それは私たちE組にとったら気の重くなるイベントだ。
山の上にある旧校舎から本校舎へ行く道のりも、体育館へと入る時の足取りも、すべてがめんどくさい。
「私全校集会嫌いなんだよね」
「じゃあ俺とサボる?」
「サボったら逃げの感じがする」
「あらあら、意外に負けず嫌い?」
そうからかってきたカルマくんは、ケラケラ笑いながらそれじゃ〜と言ってどこかに消えた。
サボったのだろう。
私もできるならサボりたいけれど、ここでサボったら、あいつら本校舎のやつらの狙い通りだ。
「でたでた、E組のやつらだよ」
そう聞こえる声なんてはっきり言ってどうでもいい。
『お前はこれ以外、何もできないな』
そんなこと、わかっているのに。どうしてそれを責めながら言われないといけないのだろうと思った。
どうしてそれだけを言って、あとは何もしないのだろうと思った。
そんな風に言われて、好きな教科以外に力が出るなんてこと、ないし。
家庭での色々な事情も重なって、気づけばE組落ち。それでも、悔しいなんて思わない。
ただ、こうやって下をみてばかりいるこいつらが、嫌いなだけだ。
毎回のように行われてた全校集会での生徒会からの笑いの的なんていう陰湿ないじめも、殺せんせーのおかげで回避することができて、今回ばかりは少し優越感に浸れた。
だから本校舎のこいつらは、バカばっかりなんだよ。
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