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「知っての通り、来週から京都2泊3日の修学旅行だ。君らの楽しみを極力邪魔したくないがこれも任務だ」

体育の時間、烏間先生を囲んで私たちは先生の話に耳を傾ける。

ついに来週は修学旅行だ。
それに胸を踊らせるのもつかの間、やはりあっちでも私たちは暗殺をする必要があるようだ。


「京都の街は学校内とは段違いに広く複雑。しかも、君たちは回るコースを班ごとに決め、奴はそれに付き添う予定だ。

狙撃者を配置するには絶好の場所。すでに国は狙撃のプロたちを手配したそうだ」


つまり、その狙撃者たちが暗殺しやすいようなコースを選ぶ必要がある、ということだ。




「あ、サチ〜」
「んー?」
「修学旅行一緒の班になろー」
「もちろん!!愛美もいいでしょ?」
「もちろんだよ!!」


就学旅行のコース決め。私と愛美で二人でどうしようかと話していると、茅野っちが声をかけてくれた。
同じ班になろう、と言ってくれた茅野っちにうんと頷き、愛美と一緒に渚くんと杉野くん、カルマくんのいるところに行く。


「新稲ちゃんも一緒なんだ〜」
「よろしく、カルマくん、渚くん、杉野くん。あとは...?」
「へっへ〜俺をなめんなよ。この時のためにだいぶ前から誘っていたのだ」


杉野くんがドヤ顔しながら手をちょいちょいと振ると、目の前に来たのは神崎さん。
クラスのマドンナ的存在だ。

「神崎さんよろしくね〜」
「こちらこそ、サチちゃん」


にこりと、おしとやかに笑う神崎さん。あぁ、何て素敵な女の子なのだろう...。


「それじゃあ決めようか」
「そうだな!!」


机を向かい合わせにして地図を真ん中に広げる。さぁてどうしようかと話し合っていると、殺せんせーが分厚い何かを持って教室に入ってきた。


「一人一冊です」


そう言われたため取りに行くと、題名には修学旅行のしおり、と書かれていた。


「いやいや先生、これ厚すぎですよ」
「辞書だろこれ...」


先生曰く、イラスト解説の全観光スポットやら何やらを詰めたものだそう。
しかも組み立て紙工作金閣寺付き。おおおお、と、私がキラキラしながらその金閣寺を組み立てようとしていると、隣でグループを作って話し合っていた莉桜に呆れられているのがわかった。


「先生はね、君たちと一緒に旅できるのが嬉しいのです」


そういう先生は、今まで見た先生の顔で一番楽しそうな顔だった。



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