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「さっきビッチ先生が投げつけた首輪があるよね?殺せんせー持ってみて」
手錠されてるままでは掴むこともできないため、床に放置された首輪を殺せんせーにもってもらう。近くにいたイトナくんに、三村が声をかけた。
「俺らのと同型だよな。どーだイトナ?」
「通信回線は起爆命令と鍵解除の2chだけだ。簡単な構造だから乱暴に外しても起爆しないし奴にもバレない」
「だそうで。殺せんせー頼むよ」
「お安い御用です。死神も首輪を解析されるのは想定外でしょう」
三村の指示で殺せんせーがまずは吉田くんの首輪を外す。
「全員の安全を確保したら次は手錠だ」
「監視カメラの死角でお願いね、せんせー」
「はいはい」
全員の手錠が取れたことを確認して、私は小さい声で「まだ、手錠されてるフリしてね」と、注意換気をする。その後に三村をもう一度見て、二人同時に岡島にこえをかけた。
「「岡島」」
岡島は両手を後ろにして手錠のかかったふりをしたままじっくりと監視カメラを見つめる。
「強めの魚眼だな。忙しい時でも一目見れば部屋全部がチェックできる」
こいつさんからカメラをラジコンにつけて女子のスカートの中見ようとしてたのか。私は内心呆れたまま、はぁとため息をつく。
「それと、檻の外…絶対に壊されない位置に一つ。この二つに死角はないけどお前らの読み通り正確に見えない場所がある」
私と三村だって黙ってずっと監視カメラを眺めていたわけじゃない。そこまでカメラには詳しくないから、最終的な判断を岡島に委ねるしかなくなってしまったわけだけども。
まぁつまり、私達2人の考え通りこのカメラには死角があるのは間違いないそうだ。その答えにホッとする。
「じゃあ菅谷くん、その見えない場所に紛れ込むために変装できる?」
「まかせろ。まじ使えるよ超体育着の暗殺迷彩。壁の色そっくりに変えれるぜ」
「カメラに衣装。まるで、映像作品の段取りだったね」
「三村こーいうの好きだよね」
全員の体育着を、白色に。男子を下にしてその上に女子を肩車させて、全員で壁にくっつく。殺せんせーは私達の壁の隙間に触手を巡らせて保護色になっている。まぁつまり、
「今せんせーは、素っ裸〜」
「なんで嬉しそーなんだよお前は」
私を肩車してくれている寺坂くんが下で呆れながらそう言った。
「赤くなんなよバレるから」
クラス全員の懸念の言葉を、誰かが言った。
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